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 政府は臨時閣議で、今年度の補正予算案を決定しました。補正予算案は先週発表した経済対策を裏付けるもので、追加の歳出は一般会計で31兆5000億円に上ります。

 子育て世帯への10万円相当の給付に1兆2000億円あまりを計上。これとは別に予備費から7000億円を支出して、中学生以下に年内に現金5万円を給付することを決めました。補正予算には住民税非課税世帯への10万円給付には1兆4000億円あまりを、困窮学生への給付に700億円弱を盛り込みました。不足する財源には国の借金にあたる新規国債を22兆円発行する計画で、財政の一層の悪化が見込まれます。

 政府の経済対策とは別に気になるのは、今後の私たちの給料です。

岸田首相
 「3%を超える賃上げを期待いたします」

 コロナ禍で岸田総理が進める「分配」政策。きょう開かれた「新しい資本主義実現会議」では、来年の春闘を見据え、賃金の引き上げなどに向けた議論を行いました。政府からは、2019年以降の春闘から賃上げ率が低下傾向にあることなどのデータが示されました。

岸田首相
 「業績がコロナ前の水準を回復した企業について、新しい資本主義の起動にふさわしい3%を超える賃上げを期待いたします」

 「要請」や「お願い」といった文言は使わず、「期待」でとどめた岸田総理。「期待」された財界からは・・・。

日本経済団体連合会 十倉雅和会長
 「我々企業は自分たちの責務として、賃上げの大原則にのっとって、しっかり賃上げしていきたいと思います」

日本商工会議所 三村明夫会頭
 「分配が先じゃなくて、成長が先。何しろ、分配のための原資がないという」

 賃上げに前向きな考えも出る一方で、慎重な意見も聞かれました。

 岸田総理はこうした議論を踏まえて、自身が掲げる「成長と分配の好循環」に向け、分厚い中間層の拡大につなげたい考えです。