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 愛知県弥富市の市立中学校で中学3年生の男子生徒(14)が刺殺された事件で、殺人容疑で送検された同学年の少年(14)が、「生徒会の選挙に立候補した男子生徒に応援演説を頼まれたのが嫌だった」と供述していることが26日、捜査関係者への取材で判明した。「嫌なことが重なった」とも話しているといい、県警はこうしたことが事件の引き金になったのか、慎重に捜査を進めている。

刺された生徒死亡「始業前にトラブル」

 少年は24日、男子生徒の腹部を柳刃包丁(刃渡り約20センチ)で刺したとして現行犯逮捕され、殺人容疑で25日に名古屋地検に送検された。捜査関係者によると、逮捕後の調べに「私が刺したことに間違いない」と容疑を認め、応援演説が嫌だったと話しているほか、少年が普段一緒にいるグループ内の会話に男子生徒が割って入ることに「不満があった」と説明しているという。少年はまた、「嫌なことが重なった」と供述しているが、口を閉ざすこともあるといい、それが何を指すのか県警は慎重に調べている。

 2人は市内の同じ小学校出身。中学では2年生で同じクラスだったが、3年時は別々になった。捜査関係者によると「2人は仲が良かった」との情報もあるといい、少年の自宅から押収したスマートフォンを解析するとともに、他の生徒や学校関係者らから話を聴くなどして少年の供述の裏付けを進めている。少年は26日までに、名古屋少年鑑別所に移送された。

 事件は24日の始業前の午前8時ごろ、3年生の教室があった校舎2階の廊下で発生。少年は事件の数日前にインターネットで購入した包丁を通学用のリュックサックに入れて登校し、男子生徒を廊下に呼び出して腹部を刺したとみられる。【森田采花、藤顕一郎】