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 広島への原爆投下後に、いわゆる「黒い雨」を浴びたと訴えた84人全員を被爆者と認めた広島高裁の判決をめぐって、菅総理は上告を断念する方針を表明しました。

 「私自身、熟慮をしてきました。その結果として、84名の原告の皆さんについては救済をすべきである。そういう考え方のもとに上告はしないことといたしました」(菅義偉首相)

 菅総理はこのように述べ、原告84人には直ちに被爆者手帳を交付する考えを示しました。また、同様の事情の人々に対しても救済措置を検討すると表明しました。

 一方、今回の判決内容について「政府として受け入れがたい部分もある」と指摘し、判決に対する考えを談話の形でまとめて公表すると語りました。

 原告や弁護士は、26日朝も広島県や広島市に上告しないよう求めて署名を提出していました。上告断念の知らせに原告団長は・・・

 「首相の判断を非常に喜んでいる。今がはじめだ、これで安心ではない。皆さんとともに救済されることを念願している」(原告団長 高野正明さん)