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 東京オリンピック(東京五輪)が7月23日に始まり、柔道の阿部兄妹が金メダルを獲得するなど日本国内が盛り上がる中、18日から23日まで行われた「第62回国際数学オリンピック」でも日本勢が快挙を成し遂げた。日本代表の全選手がメダルを獲得し、中でも神尾悠陽さん(開成高)が金メダルに輝いた。


日本勢の結果一覧(数学オリンピック財団の公式Webサイトから引用)

 2020年に引き続きオンラインで開催された今大会には、神尾さんを含め6人の高校生が出場。金1、銀2、銅3の計6つのメダルを獲得した。日本勢が金メダルを獲得するのは、19年の英国大会以来2年振りという。前回は銀メダル5個、銅メダル1個だった。今大会には107の国と地域から619人が出場し、メダル獲得数最多は中国。ロシア、韓国が続き、日本は25位だった。

 数学オリンピックは数学の問題を解く能力を競う大会。高校生以下を対象に、1959年から毎年開催されている。日本は90年大会以降、3月までの予選会などを勝ち抜いた6人を毎年派遣している。21年大会の予選会には全国から4870人が参加したという。

 大会では2日間に渡りテストを実施。各日4時間30分で3問の問題(各問7点の42点満点)を解き、点数を競う。出題範囲は高校数学までとされており、過去大会では図形や不等式、数列、確率分野の証明問題などが出題された。


過去に数学オリンピックで出題された問題(数学オリンピック財団の公式Webサイトから引用)

 数学オリンピックは、23年に日本で開催予定。03年大会以来、2度目の開催となる。フィジカルスポーツだけでなく、eスポーツがオリンピックで取り扱われるかも現在注目を集めているが、数学オリンピックをはじめとした“学問のオリンピック”での日本勢の活躍にも目が離せない。