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政府による締めつけが強まる香港で、中国の天安門事件の犠牲者を追悼する集会を開いてきた市民団体が解散に追い込まれました。30年以上にわたって香港の民主化運動の象徴だった団体が姿を消し、民主派は活動の柱を失うことになりました。

香港の市民団体、支連会=「香港市民支援愛国民主運動連合会」は、25日、臨時会議を開いて解散を決定しました。

支連会は1989年、中国・北京で民主化を求める学生たちの運動が武力で鎮圧された天安門事件の直前に連帯を示そうと設立され、毎年、事件のあった6月4日に犠牲者を悼む集会を開いてきました。

しかし、集会は去年に続いてことしも禁止されたほか、無許可のデモを組織したなどとして、李卓人代表など主要なメンバーが実刑判決を受け収監されました。

さらに今月9日には、李氏ら幹部3人と団体が国家政権の転覆をあおったとして香港国家安全維持法違反の罪で起訴され、団体が活動を続けるのは困難になっていました。


会員の代表として会見した蔡耀昌氏は、「香港市民の心の中に私たちの信念はすでに根を下ろしていると信じている」と述べました。

香港では政府の締めつけが強まるなか、民主派の労働組合や団体の解散が相次いでいますが、特に支連会は30年以上にわたって香港の民主化運動の象徴だっただけに、民主派は活動の柱を失うことになりました。