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1 名前:カイザー ◆4ngCqxHfitWB [2010/02/25(木) 18:25:59 ID:Vt6OZwiw0]

カイザーとプリンスは、レディの残した地図を元に、
肛門(まかい)への入り口にやってきた。 

そこは、人気のまったくない山中、その山肌に、
中心から菊門のようにひびが入った岩があった。 

その岩に近づいたとき、カイザーの右手が白い光に包まれた。 

「すごい!きっと、その指でこの中心を刺すんだよ」 

プリンスが言うと、カイザーはうなづき、人差し指を亀裂の中心にいれ、
中で鉤のように指を曲げ、やさしくまさぐった。 
すると中心から岩がひびにそって外側に動き、そこに入り口ができた。 

「これもきっと、13の刻印の力だね」 

プリンスが言った。カイザーも同じ思いだった。 

そして二人は、ゆっくりと中に歩を進めた。
中は真っ暗で、少しジメっとしていた。 

振り返っても入り口の光がもう見えなくなっていたところまで進むと、
目の前には、にごった液体が広がっていた。 

「うわ、なんだこの臭い・・・」 

あまりの汚臭に、ふたりは鼻をつまんだ。

その時。 

「ヒヒヒ、ここは腸の入り口だね。ここに広がるのは下痢便の溜まり。最近はデーモン様のご機嫌が悪く、胃腸の調子がよくないんでね」 

「誰だ!」 

 

2 名前:カイザー ◆4ngCqxHfitWB [2010/02/25(木) 18:26:41 ID:Vt6OZwiw0]

突然した声のほうに振り向くと、そこにはひょろっとした、色白の老人がいた。
老人はカイザーたちの驚きをよそに、話を続けた。 

「この下痢便の中に生身で入ると、あっというまに溶けてしまうぞ。ここを越えるには、わしのこの船を使うしかない。それしか、腸の奥へと行く道はない」 

見ると、老人の後ろに、木でできたような小さな船と櫂があった。 

「それを戦って奪ってみろってことかい?OK相手になるぜ」 

そう言ってプリンスは、意気揚々とファイティングポーズを取った。 

「ヒヒヒ、違う違う。こんな老いぼれに戦う力なんてあるわけがない。この船は、お前さんたちに貸してやろうというのじゃ」 

「なんだ、いいのか?じゃあ早いところ貸してくれよ」 

「お前さんはせっかちじゃのう。だから、誰もタダで、とは言っとらんじゃろう。そう、地獄の沙汰も何とやら、と言うじゃろう?」 

「金か?僕は金なんて・・・先生は社会人だし、持ってるんだろ?」 

話を振られたカイザーは、慌てて首を振った。こう見えても、カイザーに貯金はない。 

その二人のやり取りを見て、老人は笑った。 

「お前さんたちも鈍いのう。ワシが欲しいのは金なんかじゃない。ワシが欲しいのは、お前さんたちの・・・」 

「え?」 

「尻穴じゃあ!」 

老人は突然、信じられない身のこなしで、カイザーたちに飛び掛って来た! 

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