オリンピックの競技をめぐっては厳しい暑さに選手から対策を求める声もあがっていますが、27日は台風8号が上陸するおそれも出てきました。
「現在、午前6時です。手元の温度計では27度と非常に涼しく感じる中、もうまもなくトライアスロンのレースがスタートします」(記者)
午前6時半、暑さ対策で1時間前倒しされたトライアスロンの競技が始まりました。
無観客の中、さまざまな観戦スタイルが・・・
「会場の前のマンション、窓を見てみると日本の国旗やイギリス、イタリアなど色々な国の国旗を飾っている住民の方もいるようです」(記者)
公道を猛スピードで駆け抜ける選手たち。チケットがなくても競技の迫力を間近に感じられるとあって、沿道に多くの人が駆けつけました。
「もう70過ぎましたから二度と見られないと思って、夢中になって絶対見に来ると思っていました」(観戦した人)
「地球人が出せるスピードじゃない。一生の記念になったというか」(観戦した人)
大会関係者は沿道での観戦を控えるよう求めていますが、あまり効果はなかったようです。
週末に行われた自転車ロードレース。山梨でも大勢の人が詰めかけました。
「行きと帰りで2回選手を間近で見られると前から聞いていたので、それを聞いたら絶対山中湖に来て見たいと思った」(観戦した人)
山梨県は観戦自粛について「呼びかけをしたが強制力はないので難しいところもあった」としています。
多くの競技会場が集まる東京の臨海副都心。聖火台も設置され、東京大会の発信地とされています。26日、訪ねてみると・・・
「正面に見えて来たのが聖火台ですが、聖火台を見に来ている人は思ったよりも少ない感じがします」(村瀬健介キャスター)
緊急事態宣言下のため、組織委員会が来場の自粛を求めていることもあってか、人影はまばら。それでも、記念撮影に来た親子は・・・
「きょうも柔道のチケットが当たっていたが、残念ながら無観客になってしまったので、子どもの思い出作りが出来ればと思って来た」(親子)
Q.聖火見えた?
「見えた。暑かった」(子ども)
聖火台があるオリンピックプロムナードには“クールスポット”が設けられていますが・・・
「こちらは暑さ対策のためのミストシャワーなんですが、通っている人がほとんどいないんです」(村瀬健介キャスター)
東京では12日連続で真夏日を記録。屋外競技の選手からは悲鳴が上がっています。
「有明にあるテニスの会場です。トップ選手の間からは暑さの問題が指摘されていますが、実際に現場の気温は34度を超えているんです」(村瀬健介キャスター)
テニス男子シングルスで世界ランク1位のジョコビッチ選手は・・・
「あまりの暑さと湿気、よどんだ空気が負担になっている。ロッカールームで話した人たちは皆、これまで経験した中で一番しんどいと言っていたよ」(ジョコビッチ選手〔世界ランキング1位〕)
その上で、現在、午前11時としている試合の開始時間をずらすよう提案。世界ランク2位のメドベージェフ選手も開始時間を夕方以降に変えるよう求めています。
過去のオリンピック開催都市における8月の最高気温の平均を見てみると、東京は去年のデータですが、どこよりも高いことがわかります。
長年テニスを取材する海外メディアからも・・・
「クレイジーだ。歩いているだけでも大量に汗をかく。国際テニス連盟は彼らの意見を聞くべきだ」(スペイン紙記者)
大会組織委員会は「現時点で何かを変更するまでには至っていない」としながらも、「関係機関と早急に検討したい」と話しています。
不安要素は他にも・・・
27日にも東日本に上陸するおそれのある台風8号です。韓国メディアは皮肉交じりにこう報じました。
「開幕までありとあらゆるトラブルが続いた東京オリンピックですが、お天気さえも味方になってくれません」(韓国メディア)
「千葉県のサーフィン会場に来ています。先ほどからかなり強い風が吹いていて、海も大きく荒れています」(記者)
サーフィン会場では強風の影響で競技が1時間半ほど中断する場面も。台風の影響で崩れやすい波に選手たちは苦戦。そんな中でも、男子はメダルが期待される五十嵐カノア選手が、女子は都築有夢路選手が奮闘。日本人選手3人が27日の準々決勝進出を決めました。
サーフィン競技は波のコンディションを考慮し、28日に予定していた決勝戦を前倒しし、27日に全ての競技日程を終わらせるとしています。一方でボート競技やアーチェリーは延期を決めています。真夏のオリンピックは天候にも気を揉みそうです。