人生100年時代。何かを始めるのに年齢を気にする必要がなくなりつつある時代です。プログラミングも、若い人がやるものだと逃げ腰になる人が多いのですが、最近は中高年向けに入門本もあります。どんな内容なのかチェックしてみました。
プログラミングで日常を便利に
筆者も50代ですが、学生時代はプログラミングが趣味でした。といっても作っていたのは日常の簡単な計算を代行する程度のもの。学園祭で販売するサンドウィッチの予約を集計したり、誕生日を入力すると同じ日に生まれた有名人は誰かを教えるという単純なものばかりでしたがとても助かったので、満足度はかなりありました。
プログラミングは、ヘルパーさんのような存在です。手作業でやったら少し大変だと感じる作業を代行してくれるのです。少し難しい計算や、覚えるには大量すぎるデータの処理などは人間よりもずっと早くて便利なのです。プログラミングと言うと敷居が高く感じますが、毎日を少し便利にするための、ちょっと高度な電卓や電子辞書のようなものなのです。
及び腰の50代
いつか時間ができたらじっくり取り組んでみたいのは、AIスピーカーのプログラミング。普段愛用しているスピーカーにさらに便利な機能を付けられたらと思っているのです。スマートフォンアプリやウェブサイトなど、今ではさまざまなことがプログラミングで作れるようになっているので、アイデア次第で活用法は無限なのです。
私の周囲の50代でもプログラミングに興味を持つ人は少なくありません。けれど皆、「今から始めるのは難しいよね」と、やる前からあきらめてしまうのです。やってみたら案外簡単なもんだよと説明しても「英語もムリなのにプログラム言語なんてとてもとても」と言うのです。これは少しもったいないのではないでしょうか。
プログラミングは料理のレシピ
『図解 50代からのプログラミング 未開の能力を発掘♪』(高橋与志・著/リックテレコム・刊)は、タイトルからしてズバリ、50代の初心者にもわかるように、プログラミングをやさしく解説しているありがたい本です。
本書では、プログラミングを料理のレシピにたとえてイラスト入りで解説しています。美味しい料理を作るためにはいくつかの手順が必要ですが、確かにプログラミングもそうなのです。順を追って必要な計算を必要な分量でやりながら、完成を目指すのです。生活を便利にするためのレシピだと思えば、なんだか気楽に取り組めそうな気もしてきます。
女性にもわかりやすたとえ
さらに、データベースを料理の材料を入れておく冷蔵庫にたとえています。私たちは肉は肉、野菜は野菜と収納場所を決めていますが、プログラミングでもデータを置いておく場所は決まっています。
料理にたとえているので女性でも取り組みやすいし、難しい用語を極力使っていないので、読んでいても内容がすんなり頭に入ってきます。すべてのプログラミング本がこのようにやさしい解説だったら、世の中にはプログラマーが急増しているかもしれません。
高額収入も!?
本書には「中高年が自宅で稼げるようになるコツ」も書かれています。発明で大金持ちになれることがあるように、プログラミングでも大金を稼げることがあるのです。作ったアプリなどが人気になると、それを買い取りたいと言われるなど、場合によっては億を超えるような多額の収入になるのも、夢があって魅力的です。
近ごろの世の中には77歳からDJスクールに通った80代のDJや、65歳からジムに通い始めた90代のフィットネスインストラクターもいます。比べれば50代のプログラマーはまだまだ若いはず。この本を片手に、発明をするかのような気持ちでプログラミングを試してみるのもいいのではないでしょうか。
【書籍紹介】
図解 50代からのプログラミング –未開の能力を発掘♪
著者:高橋与志
発行:リックテレコム
人生100年時代に「さてこれからどうしよう」と思っている中高年の方々にこそ、プログラミングを学ぶメリットがあります。但し、定年後に「エンジニアとして独立できる」といった話ではありません。そうではなく、お一人お一人の豊富な経験、熟知している課題やニーズ、ちょっとしたビジネスのアイデア、顧客候補の“つながり”こそが宝です。そこへITやプログラミングの知識を少し足すことで、残りの人生を活き活きと過ごす契機を見つけましょう!