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産経新聞


 無免許で電動キックボードを運転し、信号無視などをして人身事故を起こしたとして、警視庁交通捜査課は26日、自動車運転処罰法違反(無免許危険運転致傷)や道交法違反(整備不良)などの疑いで、東京都新宿区の女性飲食店員を書類送検した。電動キックボードの事故での危険運転致傷容疑適用は全国で初めてとみられる。

 書類送検容疑は6月2日午後7時10分ごろ、新宿区新宿の都道で、ナンバープレートなどを付けていない電動キックボードを無免許で運転し、赤信号を無視して交差点に進入。タクシーと出合い頭に衝突し、乗客の40代男性に軽傷を負わせたなどとしている。自身も右手首骨折のけがを負った。容疑を認め「便利な乗り物で楽しそうだと思った」と話しているという。

 電動キックボードはモーターで走行する立ち乗り二輪車。日本の公道では道交法での「原動機付き自転車」と同じ扱いになる。警察庁の通知に基づき、走行には運転免許証が必要で、ヘルメットの着用やナンバープレート、サイドミラーなどの装着も必要だが、いずれも怠っていたという。

 電動キックボードをめぐっては、大阪府警が2021年5月に、歩道を走行中に重傷ひき逃げ事故を起こしたとして、道交法違反容疑などで男を逮捕。6月には、別の男を無免許運転で書類送検した。警視庁交通捜査課によると、都内では8月24日までに電動キックボードによる人身・物損事故が34件起きているという。