Intelでは2022年1月に開催されるCES2022にてミドルレンジやエントリー向けのAlder Lake-Sをリリース予定としていますが、今回エントリー向けのCore i3-12300とCore i3-12100、そしてミドルレンジモデルのCore i5-12400のベンチマークが出現しました。
ミドルからエントリーのCore i3とCore i5のベンチマーク出現
Intelでは2022年1月に開催されるCES2022にてミドルレンジからエントリー向けのAlder Lake-Sをリリース予定としています。その中で海外の掲示板、ChiphellにてミドルレンジモデルのCore i5-12400、そしてエントリー向けのCPU、Core i3-12300とCore i3-12100に関する詳細なベンチマーク情報が出現しました。
Core i5-12400, Core i3-12300, Core i3-12100の詳細仕様について
Core i5-12400
Core i5-12400はミドルレンジ向けのモデルで、既に発売されているCore i5-12600KのP-Core 6コア、E-Core 4コアに対してP-Core 6コアのみ搭載されています。そのため、L3キャッシュは12600Kに対して2MB減少の18MBになっていますが、TDPについては65Wとなっており扱いやすいCPUとなっています。価格は2.6万円程度で販売される見込みになっています。
Core i3-12300, Core i3-12100
Core i3-12300とCore i3-12100はそれぞれ、P-Coreを4コア、合計で8スレッド搭載するモデルとなっており、L3キャッシュは12MBとなっています。この2つのモデル間での違いは動作クロックのみで、TDPについては60W、最大消費電力とも言えるMTPについては80Wを下回るものと見られており、価格も2万円を下回る見込みで多くの人が手軽に買えるCPUとなっています。
高い性能を発揮しつつ、発熱や消費電力は低め
Chiphell上に掲載されたベンチマークはCinebench R20やR23、3DMark、CPU-Zなどベンチマークの他に、AIDA64起動時のパッケージ消費電力や温度、そしてCS:GOなど実際のゲームでのパフォーマンスが記録されています。なお、Core i5-12400やCore i3-12300/12100のベンチマークはDDR4を用いて行われています。
Cinebench R20のベンチマークでは、Core i5-12400はシングルコアが659pt、マルチコアが4776ptとなっており、同じく6コア12スレッド搭載するRyzen 5 5600Xに対してシングルコア(570pt)は15.6%、マルチコア(4530pt)では5.4%の差で上回る記録を出しています。Ryzen 5 5600Xが3.5万円程度で販売されている事から、Core i5-12400の方が2.6万円で1万円近く価格が安いにもかかわらず性能が高いという結果になっています。また、前世代モデルであるCore i5-11400に対してはシングルコア22%、マルチコアでは20.6%と大幅な性能向上を記録しています。
Core i3-12300およびCore i3-12100についてはそれぞれシングルコアが664pt、645ptとなっており、マルチコアスコアが3334pt、3276ptという事で2つのモデル間で大きな差は無いようです。他のモデルとの比較ではRyzen 5 5350Gとの比較が行われており、Core i3-12300と比較するとシングルコアは(531pt)25%、マルチコアは(2638pt)26.4%と大きく上回っています。他のIntel製CPUと比較するとCore i7-9700がシングルコア465pt、マルチコア3644ptという事でマルチコア性能の差は2年前のCore i7に対して10%圏内の差に届いてます。なお、Cinebench R23においてはこの差は更に縮まっています。
消費電力や発熱面においてもCore i5-12400やCore i3-12300/12100は良好な記録が出ています。
ベンチマークにおいてCore i5-12400はRyzen 5 5600Xを上回るスコアを記録していましたが、AIDA64で最大負荷をかけた際の消費電力はRyzen 5 5600Xの112Wに対して、Core i5-12400は80Wを下回る値を記録しています。また、Core i3-12300/12100も61Wと65Wと非常に低い消費電力量となっています。
また、発熱面においてもCore i5-12400、Core i3-12300/12100の3モデル共に最大で62度となっており、Ryzen 5 5600Xの86度、Core i5-11400の66度と比較しても低く抑えられており小型なPCケースなどでの運用にも耐えられそうな記録となっています。
ゲーミング性能はシングルコア性能が高いAlder Lake-S世代が全体的に優位
掲載されたベンチマークではゲーミング時のパフォーマンスも記録されています。グラフィックスカードにはRadeon RX 6800 XTが使われており、GPUがボトルネックとはならないような構成にされています。
CS:GOではベンチマークでは苦戦していたRyzen 5 5600Xが高いFPSを記録しており、Core i5-12400についてはRyzen 5 5600Xに対しては27%劣る結果となっています。一方で、Core i5-11400に対して13%の向上に留まっています。ただ、エントリーモデルであるCore i3-12300やi3-12100のスコアはCore i5-11400に対して7%程度上回る結果となっています。
一方で、Shadow of the Tomb Raiderに関しては、Core i5-12400がRyzen 5 5600Xを僅差で上回る状況になっています。また、Core i3-12300/12100はCore i5-11400に対して10%以上上回るFPS数となっており、Ryzen 5 5600Xにも迫る記録になっています。
Watchdog LegionでもTomb Raiderの結果と似た状態となっており、Core i5-12400がRyzen 5 5600Xを僅かながら上回るスコアを記録しています。一方でCore i3-12300/12100はCore i5-11400に対して僅かにFPS数が届かない記録になっていますが、ほぼ同等と言う値にはなっています。
Core i5-12400については3万円を下回り、Core i3-12300/12100については2万円を下回る価格帯での販売が行われると見られるため、ユーザーにとってはかなりお手ごろな価格で高いパフォーマンスを持つCPUを手に入れられる事になり、選択肢が広がります。特にCore i3-12300/12100についてはベンチマークなどではCore i5-11400には届かない性能ではありましたが、ゲーミングなど実際での使用時ではパフォーマンスが低いと感じる事は少なそうな印象です。グラフィックスカードなどゲーミングPCを構築する際のコストは上がる傾向にありますが、このCore i3-12300/12100はユーザーにとってありがたい存在となりそうですね。
心配なのは発売された際は人気ですぐに無くなりそうな点ですが・・・
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