もっと詳しく

日本で調達する食材は放射性物質の検査

 コロナ禍の五輪は人類初のことであり、いつもの五輪以上にみな手を取り合って、それでも手探りで進む他ないところ、早くも韓国の非常識な振る舞いが際立っている。放射能フリー弁当、アンチ竹島アピール、旭日旗アレルギー……。さすがに韓国内でも指弾される蛮行について、ライター・羽田真代氏がレポートする。

 ***

【写真】独島に関する姑息な表記法

 韓国の選手団は選手村入りするとすぐに「臣にはまだ五千万の国民の応援と支持が残っている」とハングルで書かれた横断幕をベランダ側に掲出した。これは、文禄・慶長の役において朝鮮水軍を率いて日本軍と戦った李舜臣(イ・スンシン)の言葉を借りてきたものだ。スポーツに戦争を持ち込むごとき不謹慎な振る舞いで、「Thank you」「心より感謝いたします」との垂れ幕を掲げたオーストラリアチームとは対照的だった。

五輪に歴史問題を持ち込んできた

 さらに韓国選手団は、日本の食材は放射能で汚染されている可能性があるとし、独自に給食センターを設置、“放射能フリー弁当”を自国の選手らに供給し始めた。

 会場近隣のホテルを借り切り、韓国から派遣された調理師や栄養士ら16人が1日400個以上の弁当を手がけている。キムチなどは韓国から持ち込み、日本で調達する食材は放射性物質の検査を行っているというが、検査の仕方は極めて杜撰で、パフォーマンスが先走っている印象だ。「福島の人々がファーストクラスの運営をしてくれた。桃は美味しかった」と話したソフトボール米国代表監督の言葉が頭をよぎる。

わざわざ色を変更して独島表記

 23日に行われた開会式については、韓国放送局の暴走が目立った。

 MBCは、ウクライナ選手団の入場行進の際の説明でチェルノブイリ原発事故の画像を、ハイチ入場では暴動の画像をそれぞれ使っていた。

 韓国内ではその悪ノリと言うかナンセンスさについて、「呆れてものが言えない。このような国家的な大恥を晒した担当者はもちろん、関係者全員処罰されなければならない。日本に対して散々言及してきた癖に…今は全世界が韓国の悪口を言っている。何という大恥!!!!!」と指弾するような声が圧倒的だった。

 一方、SBSでは日本選手団入場の際、紫色に塗られた日本地図の竹島部分だけを水色に変更し、わざわざ“Dok-do(独島)”表記までする手の込んだ紹介を行っていた。

「MBCと共にSBSは放送を停止すべき三流放送局」と真っ当な意見もあれば、「センスが良い」「感動した」という声も根強くある。

 選手のスポーツマンシップへの疑義も呈されることになった。

 22日に行われたサッカーの韓国対ニュージーランド戦終了後、ニュージーランド代表のFWクリス・ウッド選手が、韓国代表のMF李東景(イ・ドンギョン)選手の元に歩み寄って健闘を称えあうべく右手を差し伸べ握手を求めたが、李選手はNZの選手と目を合わせることすらせず、差し出された右手を軽くはたいて立ち去ってしまった。

 李選手の非常識な行為は国内外で批判され、翌日には韓国代表チームの団長が緊急会見に臨み、李選手が託したメッセージを読み上げた。その内容は、「このような問題に発展すると分かっていたなら、もっと理性的に反応すべきだった。試合に敗れてひどく落胆していたため、そこまで気がまわらなかった。あのときの僕は、笑みを浮かべて(握手を)断れなかった」というものだった。

 少し説明しておくと、韓国のサッカー協会からは感染防止の観点から握手を拒否すること自体は問題ないとされており、仏頂面で断ったことがよくなかったというのが彼の主張のようだ。とはいえ他の選手は握手をしていたし、そもそもプレイ中は頻繁に接触していることに加え、他の競技でもボディタッチをしながら互いの健闘を称え合うシーンが普通に流れている以上、彼の弁明は通りづらいだろう。

UNCTADが「先進国」に認定

 批判の声が殺到したのを受け、ようやく出された格好の李選手のコメントであったが、「人としてのモラルに欠けている」「サッカーの技術だけでなく、礼儀を教えてくれる人は韓国にいないのか」「早く強制帰国させて」などと、さらに批判の声が上がっていった。

「単純に防疫のためだと思うが。視聴者がバカなのか?」と擁護する意見は極めて少数で、「今後数年間はお前のせいで韓国人は肩身が狭くなる。日本はお前のせいで浮かれている」「実力もない上に、人間性もクズだ。国民の恥」と口を極めてののしるようなコメントも少なくない。

 国連貿易開発会議(UNCTAD)が、韓国を「開発途上国」から「先進国」に変更する案を議決したのは今月2日のことだ。韓国内では正真正銘の“一流国家”になったと喜ぶ声はかまびすしいほどだった。五輪を巡って繰り返された振る舞いが先進国にふさわしいものだったかどうか、胸に手を置いて考えるべきではないだろうか。

羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。

デイリー新潮取材班編集

2021年7月27日 掲載