もっと詳しく

初めてハセとコピー(そんな立派なものじゃなく完全にカバー)したのはRCサクセションの雨上がりの夜空に、キモチE、そしてタイマーズのデイドリームビリーバー。だからってわけでもないけどSEはデイドリームビリーバー。しかしそこに一捻り入れて、かつ真摯に提示するのがAKOGAREであって…SEに使っているのはモンキーズでもタイマーズでもなく、ジョン・スチュアートのバージョン。

ジョン・スチュアートとは誰か?そう、彼こそが元キングストントリオのメンバーにして、デイドリームビリーバーのオリジナルの作者。AKOGAREの使用したテイクは71年リリースの「ロンサム・ピッカー・ライズ・アゲイン」収録のセルフカバー…そう、本家本元の満を持してリリースしたソロアルバムのオリジナルなんです。モンキーズのテイクの煌びやかなポップネスはないが、50s直系のクルーナーボイスが燻し銀でかつリラックスしたフォーキーな演奏が特徴。曲のクオリティの高さがダイレクトに伝わる…途中アドリブを無茶ぶりしてミスったりする雰囲気も含めて貫禄。ちなみにこのアルバム、バンジョーとドブロはクリス・ダーロウ。この人、元カレイドスコープ(USの方。デヴィッド・リンドレー率いる、ルーツ寄りのサイケデリック)、そしてニッティー・グリッティ・ダート・バンド。ニッティー・グリッティの方はいわずもがなのモダンカントリーの名バンドですが、カレイドスコープ、そしてデヴィッド・リンドレーはあまり知られていないけど面白い…リンドレーはジャクソン・ブラウンのバックで多少有名ですが、かのライクーダーも尊敬する凄腕プレイヤーにして雑食と越境のロックを体現する人。ファーストソロ「化け物」に収録されたハワイアン・レゲエにアレンジされたツイスト・アンド・シャウトを聞けば凄みがわかるはず。アメリカ音楽は人脈辿るだけで面白い一例。

00年代以降、特別な音楽は無いことは百も承知で音楽をやる意義は…今、その瞬間に、その人の言葉でかき鳴らすこと。そして脈々と続く歴史へのリスペクトだと僕は思っています。そんな「地続きの最先端」であることを自負するAKOGAREのメッセージもふまえて、あまり知られていない原作者のテイクをSEにしている次第。

そして今度は皆さんのリスペクトをAKOGAREは浴びたい。AKOGAREの連鎖がロックなんだと。僕らのライブを見て、すぐ悔しくなって楽器を握りたくなるように…ほどよく身近なAKOGAREでありたい。

7/1、オリンピック間近です!ローソンチケット(Lコード77175)かTwitterのakogarekiyoshiにダイレクトメッセージをプリーズ!

タイキックマーフへのありったけのリスペクトが連鎖していくように。