シリアのゴラン高地と言えば、67年戦争でIDFがその多くの部分を占拠し、その後占領地をイスラエル領だと宣言していましたが、国際社会からは認められていませんでした、
どうやらイスラエルは、この占領を恒久化する意図のようで、今後そのユダヤ人人口を倍増することとした模様です。
アラビヤ語メディアは、イスラエル首相が26日、イスラエル政府は現在25000名のユダヤ人人口(その他にはドゥルーズ人23000名が居住している由)を倍増するために道路等のインフラ、医療保険サービス等を大幅に改善していく計画であると発表したと報じています。
إسرائيل تكشف عن خطة لمضاعفة عدد المستوطنين في الجولان | الشرق الأوسط (aawsat.com)
ゴラン高地は歴史的に一度もパレスチナの一部であったことはなく、シリアの一部で、国際的にもそのように認識されていて、イスラエルも主流はそのような認識を有していたことは間違いなく、これまでもパレスチナ和平が行き詰るとシリア・オプションとして、ゴランの返還が浮上し、特にイスラエル首相がバラクだったかの時には、ほぼ返還がまとまりかけ、双方の意見の差はテベレ湖の湖畔数メートルだなどと言われたことがあったかと思います。
然し、その後時は移り変わり、東アラブ地域でのISの勢力伸長や、イランの影響力の拡大等があり、ゴラン高原の戦力的重要性は格段に増し、今では野党も含めてイスラエルではゴラン高地の返還をまともに考える勢力はごく少数のような気がします。
まして、今後ゴランのユダヤ人人口が増えるにつれ、同地を故地と考える人口が増えていき、ゴラン高原の返還というのはますます困難になる可能性が強そうです
恐らく可能性があるとすれば、パレスチナ問題、さらにはより大きくイランも含めた中東の和平が合意された場合でしょうが、現時点ではなかなか考えにくい可能性でしょうね。
因みにゴラン高地はワイン(特に白ワイン)等の農産物の産地として知られていますが、その産地名を巡って、イスラエルとEUの間では対立があるようです・・・・EUはゴラン産ワイン等産物の産地を占領地とすることを求め、イスラエル産との表示を認めていないはず