スマホがどんどん熱くなる!? もしかして故障かも!? そんな不安を抱いたことはありませんか?
スマホを少し触ってみただけでも熱い気がするというのは、多くの人が一度は実感していることです。本体の中にたくさんの電子精密部品が詰め込まれていて日々多くの処理をこなしているハイテク機器であるスマホは、そもそも発熱しやすい構造を持っています。そのため、使い方によっては心配になるほど熱くなることがあります。この状態が続くと本体が故障したり、バッテリーに悪影響はないのか?と不安になるのも当然でしょう。
なぜスマホが熱くなるのかという原因とそれを放置していると起こる問題を解説した上で、熱くなったスマホを冷やす手順と熱くなりにくい使い方の解説をします。
目次:
1.スマホが熱くなっていることに気づいたら、どうする?
2.スマホが熱くなる理由
・2-1.スマホが熱くなる現象について
・2-2.スマホが熱くなる8つの理由
・2-3.熱くなる原因に心当たりがない場合の対処法
3.スマホが熱くなると起こりうる問題
・3-1.熱くなったスマホを放置するとどうなる?
・3-2.熱暴走
・3-3.バッテリーの劣化
・3-4.本体の故障
・3-5.発火や火傷など重大な事故の恐れ
・3-6.動作が遅くなったり画面が一瞬止まるのはセーフティ機能の場合も
4.段階別 熱くなったスマホを冷やす5つの方法
・4-1.充電を中止する
・4-2 スマホの電源をオフにする
・4-3 ケース、カバーを外す
・4-4.10円玉冷却
・4-5.扇風機を当てる
・4-6.逆効果なのでやってはいけない「冷却方法」
5.スマホが熱くなりにくい使い方と心がけ
・5-1.ながら充電をしない
・5-2.不要なアプリを削除、停止する
・5-3.長時間の使用に注意する
・5-4.温度の高いところに放置しない
・5-5.ケースをつけている場合は外して使ってみる
・5-6.省電力モードに設定する
6.まとめ
1.スマホが熱くなっていることに気づいたら、どうする?
お使いのスマホが熱くなっていることに気づいたら、まず何をするべきなのでしょうか。これまでと使い方が変わっていないのであれば、大きな故障が起きているとは考えにくく、まずは冷静に対処しましょう。
もしかすると、スマホが熱くなっているのは今回が初めてではなく、単に気づいたのが初めてなのかもしれません。今回が初めてではないのであれば、すぐにスマホ本体が動かなくなるなどの問題に発展するとは考えにくく、まずは必要以上に不安を感じることはないと思います。
では、まずは何をするべきか?その順序として当記事では以下のように構成してします。
- まずは、理由を探る
- スマホが熱い状態を放置するとどうなるか?
- 安全にスマホを冷やす方法はある?
- 今後、スマホが熱くなりにくい使い方を知っておこう
まずは目先の問題を知り、今後に向けて問題の再発を防止するという流れで解説していきますので、スマホが熱くなる問題をうまく解消していきましょう。
2.スマホが熱くなる理由
2-1.スマホが熱くなる現象について
スマホが熱くなるには、いくつかの原因があります。そのうちの1つだけが原因である場合もありますが、複数の原因が重なっていることもあります。
スマホが熱を持った状態を放置しているとバッテリーの劣化や本体の故障を招くと言われていますが、それでは「スマホが熱い」というのは何度以上が危険なのでしょうか。
スマホ本体を構成しているCPUなどの基幹部品は発熱源でもありますが、よほどの高温にならない限り性能への影響は少ないとされています。一般的にパソコンやスマホの基幹部品は100度になっても熱が原因で故障することはないようです。
最も熱の影響を受けるのは、バッテリーです。ほとんどのバッテリーはリチウムイオン電池を採用しており、このリチウムイオン電池が熱に弱い特性を持っているからです。
環境対応車普及方策検討会という団体がまとめた、温度がリチウムイオン電池に与える影響をまとめた資料(PDF)によると45度でもバッテリーの劣化が進むと報告されています。
45度というと人間の手で触れても「少し熱を持っている」という程度の温度ですが、この温度でも長時間続くと少なからず影響が出てくるということです。
iPhoneやXperiaなど代表的な端末の説明書にも、おおむね40度や45度といった保管場所の温度上限が記載されています。このことを考えても40~45度の状態を長時間続けているとバッテリー劣化の原因になると見て良いでしょう。
参考:iPhone、iPad、iPod touch を許容可能な動作温度に保つ
参考:Xperia(TM) X Performance SO-04H 取扱説明書
2-2.スマホが熱くなる8つの理由
2-2-1.充電方法の問題
スマホを充電したまま通話やネット通信をすることを「ながら充電」といいます。ながら充電はバッテリーへの負荷が高いため発熱しやすく、同じくバッテリーへの負荷が高い急速充電と並んでスマホが熱くなるポピュラーな原因として知られています。
2-2-2.充電ケーブルが適合していない
スマホの充電に使用しているケーブルが適合しておらず、タブレット端末用のケーブルで代用しているなどの可能性が考えられます。タブレット端末用の充電ケーブルは電圧が高い場合があるため、端子が同じ形状をしているからという理由で代用するとスマホが発熱する場合があります。
2-2-3.バッテリーの劣化
バッテリーが劣化してくるとキャパシティが少なくなってくるため、放電と充電を頻繁に繰り返すことになります。その結果、バッテリーへの負荷がかかってバッテリーの熱がスマホの温度を上げてしまいます。
2-2-4.アプリの負荷が高い
ゲームなど微細なグラフィックやアニメーションを多用するアプリの使用や動画の再生。また使用中のアプリだけでなく、バックグラウンドで動作しているアプリを含めて動作の負荷が高いとそれだけCPUから発生する熱がスマホ本体を熱くする原因となります。
特に最近では4K動画の再生や3Dグラフィックが多用されたゲームで遊ぶことも多くなっているため、スマホが熱くなりやすい場面は増えています。
2-2-5.スマホを長時間使っている
長時間使用していると熱を持つのはスマホだけでなくパソコンも同様ですが、パソコンにはCPUファンなど冷却装置があります。スマホは小型化するためにこうした装置がなく、長時間の使用で内部からの熱が放出されず溜まってしまうとスマホが熱くなります。
また、防水性に優れた端末ほど機密性の高さゆえに内部の熱が放出されず、熱くなるのに拍車を掛けてしまいます。
2-2-6.スマホが置かれている場所の問題
そもそも高温の場所に置いていると、その熱がスマホを熱くします。直射日光が当たる場所や夏の車内など、スマホが放熱できない場所に置いていると熱を持ったままになってしまいます。
また、電波が不安定な場所に置いていると電波を探すことによる負荷が掛かるので、それが熱の原因になることもあります。
2-2-7.夏季で気温が高い
以前と違って近年の夏は人命に関わるほどの酷暑になる日が増えました。これが過酷であることはスマホにとっても同じで、高温になっている場所にスマホを長時間置いていたり、日常的に置いている場所が高温になりがちであるなど、夏季の高温がスマホの温度を熱くしている可能性があります。
2-2-8.直射日光に当たる場所に置いている
太陽光線には放射という作用があり、直射日光が当たってるところには熱が伝わる性質があります。直射日光に当たると暖かく(暑く)感じることがありますが、スマホに直射日光が当たると同様に熱が伝わります。日常生活で浴びる程度の日光であればそれだけでスマホが熱くなってしまうほどの影響はないと思いますが、夏季の車のダッシュボードなど直射日光が当たり続ける場所、熱がこもりやすい場所は要注意です。
2-3.熱くなる原因に心当たりがない場合の対処法
ここで解説したような原因に心当たりがなく、普通に使っているだけで異常に熱いと感じる場合は、本体の故障や不具合かも知れません。その場合はスマホのメーカーもしくは契約している携帯キャリアのショップなどに相談してみてください。
3.スマホが熱くなると起こりうる問題
3-1.熱くなったスマホを放置するとどうなる?
スマホは高性能な端末であるがゆえに、タフな使い方をしていると熱を持つことは多くのユーザーが認識しているところです。そのため「熱くらい出るのが普通」と思っていることが多く、あまり深く考えずそのまま使うケースも多く見られます。
また、スマホをケースに入れている場合は本体からの熱が手に伝わりにくいため発熱に気づかない、もしくは本当の熱が伝わらず気づきにくい部分もあります。
しかし、スマホが一定以上の熱を持ち続けることは普通なことではなく、本体内で何かが起きているという認識を持つことが重要です。45度でもバッテリーに影響が出るのですから、人間の感覚では大したことではないと思える熱であっても看過できません。
3-2.熱暴走
CPUが熱によって動作停止してしまう現象を「熱暴走」といいます。本体がフリーズして操作を受け付けなくなる場合や、意図しない再起動などが頻発すると熱暴走の可能性が疑われます。
熱暴走が起き、フリーズしてしまい再起動すると、操作中のアプリで保存していないデータなどは失われてしまいます。
3-3.バッテリーの劣化
スマホなどの端末に採用されているリチウムイオン電池には、熱に弱い特性があります。スマホ本体の熱が加わり続けているとバッテリーの劣化が進み、充電容量が少なくなります。
バッテリーの持ちが悪くなったとお感じの場合、その原因のひとつにスマホの熱が関係しているかも知れません。
3-4.本体の故障
スマホは精密部品の塊のようなデバイスですが、全ての部品が熱に強いとは限りません。小型化、軽量化が進んだ結果として発熱する部品と熱に弱い部品が近くに配置されている可能性もあり、これが熱による本体故障のリスクを高める可能性があります。
3-5.発火や火傷など重大な事故の恐れ
稀ではありますが、スマホが手で触れないほど熱くなることもあります。うかつに触ってしまうと火傷をする危険がありますし、さらに温度が高くなると発火やバッテリーの破裂など重大な事故につながる恐れがあります。
こうなるとスマホ本体の故障だけでは済まなくなるので、直ちに使用を中止してメーカーや携帯キャリアの修理窓口に相談してください。
3-6.動作が遅くなったり画面が一瞬止まるのはセーフティ機能の場合も
最近のスマホは熱くなる問題についての対策が施されており、一定以上の温度になるとセーフティ機能が発動して給電を止める場合があるため、「スマホ遅くなった」「カメラが起動しない」「バッテリーの持ちが悪い」と感じるのは故障ではなく、一時的なセーフティ機能の発動による可能性もあります。
なお、セーフティ機能が発動すると以下のような現象になって表れることがあります。以下の現象が見られる場合は、熱によるセーフティ機能のせいかもしれません。いずれも故障を疑いたくなるような現象ですが、セーフティ機能が原因である場合は故障ではなく、熱がなくなれば元の状態に戻ります。あまり早合点はせず、まずは次章の方法でスマホを冷やしてみて様子を見てください。
3-6-1.スマホの画面がカクカクとした動作になる
普段はスムーズに動作していたスマホが突然カクカクとしたぎこちない動きになることがあります。動作が重くなるようなことをした覚えがないのであれば、熱によるセーフティ機能の可能性があります。
3-6-2.カメラアプリが何度も強制終了する
先ほど「カメラが起動しない」という現象について触れましたが、カメラが起動したのにすぐに強制終了してしまうといった現象が起きることもあります。カメラアプリはスマホ本体への負荷が高いので発熱の原因になりやすく、セーフティ機能が発動するとこの発熱を防止するためにカメラアプリを強制終了することがあります。
3-6-3.充電ケーブルを接続しても充電しない
充電をするとスマホが熱を持つことは、多くの方がお気づきではないでしょうか。すでに熱くなっているスマホに充電をするとさらに発熱する原因となり、ひどい場合は火災の原因にもなるため、これもセーフティ機能によって一時的に充電できなくなることがあります。
3-6-4.本体が勝手に再起動する
本体に異常が起きていると見なし、ユーザーが操作をしたわけではないのに勝手に再起動することがあります。
4.段階別 熱くなったスマホを冷やす5つの方法
4-1. 充電を中止する
ながら充電を含めて、充電中に熱を持っていると思われる場合は充電を中止してください。これで少なくともバッテリーからの発熱を抑えることができます。
ながら充電をしている場合は、スマホの使用も中止してください。
4-2. スマホの電源をオフにする
充電を中止したら、次にスマホの電源をオフにします。これでバッテリーからの発熱、そして本体内からの発熱を食い止めることができます。
一旦電源を切ることで本来内のキャッシュがクリアされるため、発熱の原因になっていた負荷の高いアプリなども動作が止まり、再起動後の発熱リスクを軽減することにもなります。
4-3. ケース、カバーを外す
発熱を食い止めたら、次は放熱です。最近は本体にケースやカバーを付けている人が多く、それが熱の放出を妨げている場合があります。液晶画面に保護フィルムを付けているのも同様ですが、フィルムは一度剥がすと使い物にならないこともあるので、まずは着脱可能なケースやカバーを外して放熱を促進してください。
4-4. 10円玉を置いて冷却する
金属は熱の伝導性が高いので、熱くなったスマホに金属をあてると金属に熱が逃がされ、スマホ本体の温度を下げることができます。スマホを金属製のテーブルに置くのも効果的ですが、それよりも手軽で高い効果が見込めるのが「10円玉冷却」です。
スマホの裏側に10円玉を並べて置くだけのとても手軽な方法ですが、なぜ他の硬貨ではなく10円玉なのかというと、それは10円玉は銅が多く使われているからです。金属の中でも銅は熱伝導率が高く、身近な銅製品といえば10円玉だからです。
電源を切って放置しておけば自然と熱は下がりますが、一刻も早く冷却をしたい方には有効かもしれません。
4-5. 扇風機を当てる
熱中症の疑いがある人を冷やすには、扇風機やうちわなどで風を当てるのが安全かつ有効であるとされていますが、同様にスマホにも風を当てると表面の熱を奪う働きによって冷却効果を上げる事ができます。
扇風機を強風モードにして風をスマホに当てると、比較的短時間で熱を冷ますことができます。
4-6.逆効果なのでやってはいけない「冷却方法」
4-6-1.冷蔵庫または冷凍庫に入れる
熱がこもった状態を一刻も早く改善するにはスマホを冷蔵庫や冷凍庫に入れて冷やすのが効果的だと思いがちですが、これは逆効果です。
確かに熱を一気に下げることはできるのですが、急激な温度変化によって本体内に結露が発生してしまう可能性があり端末が水没したことと同じ状態になってしまいます。
しかも防水機能の高いスマホだと逆に本体内に発生してしまった結露が外に出にくいため、より故障のリスクが高くなります。
4-6-2.水につける
防水機能のあるスマホであれば水につければ一気に冷やせるのではないかというのも、頭に浮かびやすい「冷却方法」です。これも急激な温度変化で結露の原因になることや、防水機能があると言っても購入時の防水能力が保たれているとは限らないのでおすすめはできません。
熱を冷やすためにやったことが重大な故障の原因になるのは本末転倒です。スマホの冷却は「水冷」ではなく「空冷」が基本です。
5.スマホが熱くなりにくい使い方と心がけ
5-1.ながら充電をしない
本体内のCPUやカメラ、GPSなどの基幹部品とバッテリーが主なスマホの発熱源です。ながら充電はその両方からの発熱リスクが高まるため、発熱する条件を自ら整えてしまっているようなものです。
スマホが熱くなることが気になる場合、ながら充電はしないようにしましょう。
5-2.不要なアプリを削除、停止する
アプリが動作している状態は、CPUが処理をしている状態でもあります。バックグラウンドで複数のアプリが起動していると見えないところでスマホに負荷をかけて発熱の原因となります。
スマホは電源を切ることがあまりないため、一度起動したアプリは閉じなければそのまま起動したままになっています。このことが結果としてCPUの負荷を増大させ、スマホが熱くなる原因につながります。
そこで定期的に全アプリを終了しておき、必要に応じてアプリを再び起動するようにすることも一つの手段です。
Androidのスマホであれば右下の四角形アイコンをタップ、次に表示されるロケットのアイコンをタップすると、全アプリを一度に終了させることができます。
5-3.長時間の使用に注意する
長時間使用していると放熱が間に合わず、スマホが熱くなる原因になります。特にゲームや動画再生などはCPUの負荷が高いので、これらを長時間連続して使用していると熱くなりやすい条件が整ってしまいます。
目を休ませるという意味でも、連続して長時間使用せずスマホも休ませてあげてください。
5-4.温度の高いところに放置しない
周辺の温度が高いと放熱しにくくなることと、周辺の高温がスマホの温度を上げてしまう原因になります。直射日光の当たるところや真夏の車の中などに置いていると本体内に原因がなくても熱くなってしまいます。
携帯端末なのでポケットに入れて持ち歩く人も多いと思いますが、これも体温によって放熱を妨げることがあるので、ずっと入れっぱなしにせず時々外に出すことを心がけましょう。
5-5.ケースをつけている場合は外して使ってみる
スマホケースは衝撃から守る便利なアイテムですが、排熱しにくくなるという問題もあります。ケースをつけている状態で使用している方で、スマホが頻繁に熱くなる場合は一時的に外すだけではなく、以後ケースを外して使ってみてください。
保護ケースの中には、熱対策として放熱効率が高くなるように設計されているものがあります。端末を保護するためにケースを使いたいという場合は、ケースの中でも放熱性に優れているものを選ぶのもひとつの方法です。
5-6.省電力モードに設定する
スマホにはバッテリー消費を節約するための省電力モードがあります。電力消費を抑えるということはCPUの負荷が低下し、発熱しにくくなります。この方法はバッテリーの持ちが悪くなってきたときにも有効なので、ひとつの方法として覚えておいてください。
6.まとめ
ここまでスマホが熱くなる原因と対策を解説してきましたが、いかがでしたか?
日々の使い方で心当たりのあるものはありませんでしたか?
もし心当たりのある使い方があれば、それを改善するだけでも熱くなりにくくなるかも知れません。
スマホは小さな本体の中に膨大な数の精密部品とバッテリーが入っているというハイテク機器です。高性能であるがゆえに発熱しやすいものという意識をもって、日頃から放熱しやすい使い方を心がけてください。そのことがバッテリーの寿命を延ばし、本体の故障リスクを軽減します。
大切なスマホを長く使っていけるよう、この記事の情報をお役立てください。