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18歳の張本智和選手は男子シングルスで世界ランキング4位。
今大会、第3シードで臨み、メダル獲得が期待されていました。

2017年からシニアの大会に本格的に参戦し、高速バックハンドを武器に中国のトップ選手を続けて破るなど快進撃を見せて、世界のトップクラスへといっきに駆け上がりました。
しかし、世界ランキングもトップファイブに入り、10代にして追われる立場になったことで、おととしと去年はランキングが下の相手に受け身になって取りこぼすなど思うような結果を残せない時期がありました。

オリンピックの1年延期が決まった直後の去年4月のインタビューでは、「東京オリンピックの代表と言われることがまた1年間続くんだな」、「早く東京オリンピックをやって楽になりたかった」とプレー中に見せる強気な姿勢からはかけ離れたことばを口にしていました。

それでも、4大会連続のオリンピック出場となる男子団体のチームメートで14歳年上の水谷隼選手から「苦しくても自分との戦いから逃げてはいけない」というアドバイスをもらい、延期が決まってからの1年間、自分の心と向き合ってきました。

ことし3月に行われたオリンピック前、最後の国際大会では、中国選手が出場を見送る中、ランキングが下の選手に対しても本来の強気の攻めを貫いて優勝を果たし、精神面での成長を見せていました。

今大会は、「すべての選手が中国選手だと思ってそれをテーマにやっている。どれだけいいボールを打たれてもびっくりしないし、それが当然だと思っている」と話し、3回戦では苦しい場面でも自分から攻めていきました。

4回戦では、世界ランキング28位の積極的に攻めてくる相手に対して張本選手も攻撃的な姿勢を見せましたが、フルゲームの末に競り負け、初めてのオリンピックのシングルスは4回戦敗退となりました。