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AMDが2022年秋から2023年初旬に発売が予定されているZen4アーキテクチャーを採用した第6世代 Ryzenについて現在判明している仕様や各最新情報の記事一覧をまとめて紹介します。

『Zen4』の最新情報一覧

『Zen4』搭載Ryzenシリーズの基本情報ついて

Zen4アーキテクチャーを搭載するRyzenシリーズについては2022年秋頃に投入が予定されており、デスクトップ向けCPUは『Raphael』、モバイル向けは『Phoenix』と言うコードネームで呼ばれています。

アーキテクチャー的にはZen4は現行のZen3から大きく進化するメジャーアップデートになると見られています。

Ryzenシリーズについては2020年に発売がされたRyzenが『Zen3』で世代的にはZen、Zen+、Zen2からZen3という事で第4世代呼ばれています。2022年初旬には第5世代に当たる『Zen3+』が搭載されたRyzenの投入が予定されており、Zen4についてはその次に登場する事から第6世代になると見られています。

なお、モデルナンバーについては2021年11月時点では不確定です。

これは、2022年初旬にモバイル向けZen3+搭載Ryzenとデスクトップ向けに3D V-Cacheを搭載したRyzenが登場しますが、これら2つのモデルがどのようなモデルナンバーを与えられるかによって変わるためです。今時点では、Zen3+が7000シリーズに、3D V-Cacheモデルが6000シリーズになると言われているので、Zen4は8000シリーズとなる可能性はありますが、ここではまだ不確定としています。

アーキテクチャー刷新とTSMC 5nm採用で、IPCを大幅向上

Zen4アーキテクチャーではZen3に対して大きく進化すると見られています。

Zen4アーキテクチャーを採用するEPYC GenoaのES品を手に入れた者によるリーク情報によると、Zen3を採用するEPYC Milanに対してES品と言う段階で既に同一クロックでの動作はZen3に対して29%程度向上しているとの事です。また、動作クロックについてもZen3より向上を見込んでいるとの事でAMD製CPUでは困難だった5.0GHzの壁も超えられるCPUになる可能性があると2021年2月時点のリークでは語られています。

5nm『Zen4』RyzenはIPC25%向上へ。性能は『Zen3』より40%増し

パフォーマンスが大きく向上している背景としては、Zen4ではTSMC 5nmプロセスを活用する事や、I/OダイについてもGlobal Foundryの14nmプロセスからTSMC 7nmプロセスに進化する事で全体的なパフォーマンス底上げに繋がっていると考えられます。

スッポン現象と決別。ソケットはLGA化されたソケットAM5が採用

Zen4 Ryzen “Raphael”採用のAM5モックアップ出現。TDPは最高170Wか

AMDのRyzenシリーズは2016年に発売された第一世代Ryzenから長らくソケットAM4を採用しています。このソケットAM4ではCPUとマザーボードを繋ぐピンがCPU側に搭載されたPGAが採用され、CPUの取り扱いに関してはIntelなどで採用されているLGA(マザーボード側にピンが搭載)モデルより扱いに注意が必要です。

特にこの機構ではCPUとCPUクーラーを密着させるシリコングリスが固着すると、CPUクーラーを外す際にCPUのソケットがロックされているにも関わらず、CPUがソケットから抜けてしまう現象があります。これが、スッポンと言う名前で親しまれていますが、このスッポンはいわば無理やりCPUがソケットから抜かれてしまうため、CPU側のピンが折れて動作不良に陥るような事態があります。

そんな、AMDのソケットAM4ですが、Zen4世代からソケットAM5へ進化する予定になっており、このAM5ではIntelでメジャーだったLGAが採用される事になっています。

ピンの数は1718本となっており、IntelのAlder Lakeで採用されているLGA1700に近いピン数になっています。ただ、CPU裏のレイアウトでは、Intel側がCPUの中央付近に電源回路関係が敷き詰められているのに対して、AMDのZen4では裏面は全て接触パッドが敷き詰められており、CPUの表側にヒートスプレッターに切り欠きを設けて、そこに電源回路関係のチップが搭載されるデザインとなっているようです。

 

最大コア数は16コアに据え置き。TDPは最大170Wまで引き上げられる見込み

Zen4 Ryzen Raphaelでは最大16コア据え置き。TDPは最大170Wに

Zen4アーキテクチャーを採用するサーバー向けCPUのEPYC GenoaではZen3アーキテクチャーを採用するEPYC Milanの64コアから最大96コアにコア数が増加する見込みになっています。しかし、コンシューマー向けのRyzenについては今まで通り16コアに据え置かれる見込みとなっています。

また、TDPに関してはZen3搭載Ryzenシリーズではコンシューマー向けに販売されている製品ではTDPが120Wのみ、OEMなどに向けて販売されているモデルを含めると、65Wと120Wの2つのTDP帯製品が存在しますが、Zen4 RyzenからはTDPが最小は65Wと据え置きになるものの、95W、105W、120Wそして170Wの合計4つのTDP帯製品が登場する見込みとなっています。なお、この170Wモデルに関しては、パフォーマンスに特化した特別なモデルのために存在するようです。

CPUクーラーはAM4と互換性あり?TPD 170Wモデルには280mm以上の水冷クーラーが必須に

Zen4 Ryzenではソケットが変更となりますが、AMDのリーク資料によるとクーラーに関しては既存の純正CPUクーラーが対応製品としてリストアップされるなどしているため、ソケットは変わるものの、高さやマウント形状に関してはAM4と互換性を持つ可能性があります。

一方で、パフォーマンス特化モデルではTDPが170Wになるとの事ですが、この170Wモデルに関しては同じ資料によるとヒートシンクには280mm以上のラジエーターを備えた水冷クーラーが冷却には必要となると記載されています。そのため、Mini-ITXなどコンパクトな高性能PCを組み立てたいというユーザーにとってはハードルが高くなりそうです。

デスクトップ向けもGPU内蔵が標準に。RDNA2を搭載へ

Zen4 RyzenにはGPU内蔵が標準に。ソケットAM5のリーク情報から判明

内蔵GPUが標準搭載になるのではないかと言う情報はAMDのソケットAM5の互換性について記載されたリーク資料にて記載されています。この資料上のOn-Chip Graphicsと言う欄には”1 Dedicated”、つまりOn-Chip Graphics用に専用チップを有する事が記載されています。また、これらはソケットAM5に対応するすべてのFamily/Model Numbersにて同様の事が書かれています。この事から現行のRyzen 5000Gシリーズのようにモバイル版をベースとしたデスクトップ版Ryzenでのみ内蔵GPU搭載となる扱いとは異なります。

また、上に表示されている資料のページには記載がありませんが、資料の原本には “Some OPNs…may not support GFX”、日本語訳で『一部OPNs(モデル)ではGFX(グラフィック)をサポートしません。』とわざわざ一部OPNsでは対応しないと書いてある当たり、GPUを内蔵したモデルが標準になる可能性は高そうです。

企業などでRyzen CPUを採用したデスクトップをあまり見た事があるという方は少ないと思いますが、多くの法人向けPCではGPUを内蔵している事は必須条件とも言え、わざわざdGPUが必要となる従来までのRyzenは大きなディスアドバンテージとなっていました。そこで、AMDではZen4 Ryzenからは内蔵GPUを標準搭載し、法人向け需要も取り込もうとしているのかもしれません。

メモリーにはDDR5採用。PCI Expressは4.0で据え置き

AMDの次世代ソケット『AM5』はLGA-1718に

ソケットAM5に刷新されるZen4 Ryzenですが、これに伴いチップセットも現行の500番台から600番台のモデルが発売されます。この600番台チップセットではIntelが2021年11月に発売したAlder Lake-Sと同じようにメインメモリーにはデュアルチャンネルDDR5が採用される事となっていますが、このチップセットがAlder Lake-Sのように廉価モデルのためにDDR4にも対応するようになるのかについては不明です。

PCI Expressの世代に関しては、Zen4 RyzenではPCIe Gen4.0に据え置きとなる見込みで、PCIe Gen5.0はサーバー向け製品であるEPYCやThreadripperなどに限定される見込みとなっています。

 

2021年11月27日時点ではこのような情報になっていますが、今後明らかになる情報が増え次第更新していきます。

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