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この春から、弊社併設の粘菌博物館の館長を高齢の父に代わり引き継ぐことになりました。
粘菌(変形菌)については、ほぼ素人です。素人知識程度しかありませんので、
本格的な学者からみたらペーペーもいいところです。

これから、変形菌に関わるならという事で、
国立科学博物館の企画展にぜひ行ってみようと思っておりましたが、
なんと、コロナ禍で、入場禁止です。

5月下旬に再開かと思ったら、宣言延長で6月も休止になりそうです。
企画展の開催期日が6月20日までなので、おそらくは公開取りやめの公算が大きそうでがっかりしておりました。

そんなとき、動画が公開されたというニュースに接して、見ることができました。
3部作になっていまして、各10分くらいの短いビデオです。

詳細な内容や標本の実物が見れないのは本当に残念ですが、
展示の雰囲気だけは味わうことができました。
この展示のために奮闘されてきた学芸員関係者の皆様にとってはさぞ、残念な出来事であろうかと思わずにはおれません。

とても大かがりな展示なので移動しての地方開催は難しいかもしれませんが、常設で展示する場所があってもいいと思いました。

以下、動画の解説テキストとアドレスをご案内します。

   * * * * * 

【国立科学博物館公式】かはくチャンネル
ご生誕120年記念企画展「昭和天皇の生物学ご研究」

 国立科学博物館で開催中の「ご生誕120年記念企画展『昭和天皇の生物学ご研究』」を監修した4人の当館研究者の解説を加えた動画です。
 昭和天皇は、ご幼少の頃から生物を研究することに興味を持たれ、ご即位前後の時期に本格的に生物学のご研究を始められ、崩御される直前までご研究を続けられ、生物学特に分類学を中心とする自然史研究の発展に大きく貢献されました。
 生物学者としての昭和天皇のお姿を是非ご覧ください。

監修者:動物研究部 並河 洋
    植物研究部 細矢 剛
    植物研究部 田中伸幸
    植物研究部 北山太樹

開催期間:2021年4月20日(火)~6月20日(日)(4月25日~5月31日臨時休館)
https://www.kahaku.go.jp/event/2021/04showa/

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#1 ご生誕120年記念企画展「昭和天皇の生物学ご研究」【昭和天皇のコレクションと生物学ご研究史】解説動画

#1「昭和天皇のコレクションと生物学ご研究史」
解説者:動物研究部 並河 洋

序章:昭和天皇の生物学ご研究とコレクション
 昭和天皇は、皇居や御用邸などでご専門の植物や変形菌類、ヒドロ虫類を調査し、標本を集められ、昭和初期には各地行幸の際にもご採集されることがありました。昭和天皇が生物学者であることが知られると、国内外からたくさんの標本が寄贈され、これらの標本の総数は6万点超。この昭和天皇のコレクションは自然物を集め研究する、まさに自然史博物館そのものです。

第1章:昭和天皇の生物学ご研究史
 昭和天皇が生物学の研究に興味をお持ちになったのは、12歳の時に那須高原で植物と昆虫との関係をお調べになったことがきっかけとされています。16歳の時には、沼津の海岸でショウジョウエビを発見されたことで、海洋動物の研究にも興味をお持ちになりました。その後ご即位前後には、赤坂や皇居内に生物学を研究するための場をお持ちになり、ご公務の余暇の時間を利用して様々な生物、特にご専門とされた植物や変形菌類、そしてヒドロ虫類についての自然史研究を続けられました。

#2 ご生誕120年記念企画展「昭和天皇の生物学ご研究」【昭和天皇のライフワーク研究】解説動画

#2 「昭和天皇のライフワーク研究」解説動画
解説者:植物研究部 細矢 剛
    植物研究部 田中伸幸
    動物研究部 並河 洋 
    植物研究部 北山太樹

 第2章:昭和天皇のライフワーク研究
 生物学御研究所主任の服部廣太郎(はっとりひろたろう)は、昭和天皇が真の研究者であることを見抜き、専門を二つの分野にしぼるよう助言しました。変形菌類(へんけいきんるい)とヒドロ虫類です。当時日本にその生物を研究する研究者がほとんどおらず、また引き続き天皇というお立場でも研究ができるということが理由とされていますが、生物としての面白さも大きな要因であったと言われています。植物に関しては、ご幼少の頃から興味をお持ちでしたが、1948(昭和23)年頃からだんだん力を入れて調査されるようになりました。

#3 ご生誕120年記念企画展「昭和天皇の生物学ご研究」【昭和天皇と国内外の研究者との交流】

#3 「昭和天皇と国内外の研究者との交流」
解説者:動物研究部 並河 洋
    植物研究部 細矢 剛
    植物研究部 田中伸幸

第3章:昭和天皇と国内外の研究者との交流
 昭和天皇は、変形菌類(へんけいきんるい)や植物、ヒドロ虫類のご研究に際し、服部廣太郎(はっとりひろたろう)を通して、特にご研究初期にそれぞれの生物を専門とする国内外の研究者に研究上の疑問点などをおたずねになりながらご研究を進められました。植物に関しては、その後研究者とともに那須(栃木県)や須崎(静岡県)で一緒に調査もされました。また、採集されたその他の生物についても同定依頼などを通じて国内外の研究者と交流されました。

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南方熊楠の献上された粘菌標本もありました。なかなか、見る機会のない逸品です。
今後、実物を拝見できる日が一日も早く来ることを願っております。

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