2020年代を代表するオリジナルTVアニメシリーズを制作する大規模プロジェクト「Project ANIMA」。そのコンテスト第一弾「SF・ロボットアニメ部門」の受賞作品を原案とした、TVアニメ『サクガン』が2021年10月より放送されます。
本作は、世界中の街が詰め込まれた地下世界「コロニー」と、危険なカイジュウが支配する「ラビリンス」を舞台に、天才少女×ダメ親父の父娘バディが活躍する冒険メカアクション。
主人公の天才少女・メメンプーを演じるのは、2019年12月に一般公募のヒロイン役オーディションで選ばれた、新人声優の天希(あまね)かのんさん。もう一人の主人公であるメメンプーの父親・ガガンバーは東地宏樹さん、旅の途中のコロニーで出会う不良少年少女集団のリーダー・ユーリは、「Project ANIMA」原案募集段階からアンバサダーとして企画参加していた豊永利行さんが演じています。
アニメイトタイムズでは、アニメに先駆けて放送中のラジオ『サクガン ラジオラビリンス』のパーソナリティも担当している天希さん、東地さん、豊永さんの3人を直撃。PV第2弾も公開となり、ますます期待が高まるTVアニメ『サクガン』の見どころや、キャラクターの魅力、ラジオのことなどたっぷりお話をうかがいました。
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「偉くなったら仕事に呼んでね?」いつも場を和ませてくれる先輩たち
――まずは、「Project ANIMA」に初期から携わられ、裏話番組「ザツダン」のMCも務めている豊永さんに、このプロジェクトの特徴や感じたことをお聞きできればと思います。
ユーリ役・豊永利行さん(以下、豊永):最初に聞いたとき、今の時代になんて夢のあるプロジェクトだと感銘を受けたのを覚えています。そして実際に応募作品を拝見して、世の中にクリエイターはこんなにいるんだと改めて知ることができました。あと、審査するのってこんなに大変なんだと(笑)。
中間選考通過作をラジオで紹介していたのですが、今まではどちらかというと審査される側にいた人間なので、いち読者として楽しむだけじゃなく、どれがアニメ化されるんだろう?と考えながら読む作業はすごく精神を削るというか。どれも面白い中でひとつ選ぶのは、心を鬼にする作業だったと思いますね。
それと、役者業をやっているだけだと、制作の方たちと深く付き合う機会って実はそれほどないんですよ。プロジェクトを通してそういう機会をいただいたことは、これからの役者人生にとってすごく身になると感じています。
――そのコンテスト第一弾「SF・ロボットアニメ部門」のアニメ化作品に選ばれたのが、本作の原案である戌井猫太郎さんの『削岩ラビリンスマーカー』です。原案小説を読んだ感想はいかがでしたか?
メメンプー役・天希かのんさん(以下、天希):今はネタバレ防止のために途中までしか公開されていないのですが、読み終わってもう1回読みたいと思えるぐらい、魅力がたくさん詰まっている作品だなと感じました。伏線が細かく張り巡らされていますし、シリアスなところもコミカルなところもあって。
ガガンバー役・東地宏樹さん(以下、東地):そうですね。ざっくり言えば「SF・ロボットアニメ」のくくりに入るけど、その中心には親子の物語があるなと。親子の関係を描くのは昔からある題材ですけど、それだけでないストーリーの面白さも詰め込まれていて、よくできた作品だと感じましたね。
豊永:文字情報だけで心地いい読み口というか、キャラクターたちの喋り口が軽快で、想像を掻き立てられるのがすごいなと純粋に感動しました。読みながら、アニメではどの部分を切り取って(映像化して)、どこまでやるんだろうとか、「Project ANIMA」に携わったからこその裏方的な考察もしちゃいましたね(笑)。
――メメンプーとガガンバーの親子関係や軽快なやり取りは、PVでも雰囲気が垣間見えますね。メメンプーを演じる天希さんは公開オーディションで選ばれたわけですが、プロの声優としてだいぶ慣れてきましたか?
天希:一生慣れないんじゃないかなと思います(笑)。先輩方を見ていても、皆さん毎回新鮮な気持ちでお仕事に取り組んでいらっしゃるので、私も「全部が初めてだけど、頑張るしかない!」という今の状況や、挑戦する気持ちを忘れずにいたいなと思っています。
――改めてオーディションを振り返って、当時の気持ちなど教えて下さい。
天希:ものすごく緊張しました。審査員は錚々たる方々でしたし、生配信でどのくらいの人たちが見ているんだろう? と思って。でも、そんな私たちを豊永さんと緑川(光)さんが和ませようとしてくださったことは、とても印象に残っています。審査員の紹介を控室から見ていたんですけど、順番に紹介されていく中、お2人は(カメラに向かって)手でハートマークを作ったり、「ハートを忘れずに」と言ってくださったりして。それを見て、みんなホッと息をつけました。
豊永:僕と緑川さんが特別審査員だったんですけど、大先輩の緑川さんが和ませよう和ませようとしていたので、先輩だけにやらせるわけにはいかん!と思って(笑)。
天希:それで、ハートを作っていたんですね(笑)。
豊永:皆さんが変な緊張をしてポテンシャルを100%発揮できないのは嫌でしたし、切り込み隊長のような心構えでした。それが緩和剤になっていたのなら良かったなと思います。
――「オーディションのときからナチュラルな演技を意識していた」とラジオで話していましたが、緊張しつつもしっかり考えて臨んだのですね。
天希:そうですね。演じる前はものすごく考えましたけど、演じている時は考えちゃダメじゃないですか。“キャラクター”として喋っているのに、“私”が考えてしまったら違うものが乗ってしまうというか……。ものすごく体が緊張していたので、喉の使い方もいつもと違ってしまい、全然やりたいようにやれなかったです。
――なんか、初めてとは思えないほどしっかりしていますね。東地さんから見ると娘さんと同じぐらいの年齢とのことですが、天希さんの印象はいかがですか?
東地:いやもう、ラジオを収録していても考えがしっかりしているんですよ。うちの子は20歳なんですけど、雲泥の差があります(笑)。
天希:いやいやいやいや。
東地:その反面で、しっかりしすぎていて(精神的に)追い込まれてしまうんじゃないかと思ったりもするんです。もうちょっと僕やトシ(豊永さん)を見て、気楽になったらいいかなと。
豊永:もうちょっと適当でいいよって(笑)。
東地:そうそう。もちろん、この歳でこんな立派な考えを持てるのは素晴らしいことなので、それを基本として(状況によって)崩していけば大成しますね。僕らのことを忘れちゃうぐらい(笑)。
天希:忘れないですよ!
豊永:偉くなったら仕事に呼んでね?(笑)
天希:恐れ多すぎます。おふたりは、いつもこうやって和ませてくれるんですよ(笑)。