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静岡県熱海市で起きた大規模な土石流で、盛り土の造成を届け出た不動産業者が、4年前に市内の別の場所で土砂を搬入した際に、流出防止策を取っていないなどとして、県から中止命令を出されていたことが分かりました。

静岡県熱海市で起きた大規模な土石流で、県と市は逢初川の上流部にあった盛り土が被害を拡大させたとみて、造成の経緯や当時の対応を調べています。

県によりますと、この盛り土の造成を届け出た神奈川県小田原市の不動産業者は、4年前、熱海市内の別の山あいの土地で植林のために土地を改良するという申請を出し県が許可していました。

しかし、その後、県の調査で申請を超える範囲の区画に土砂を搬入していることや、許可の条件となっていた土砂の流出防止策を取っていないことが分かり、許可から3か月後、県から森林法に基づく中止命令を出されたということです。

県によりますと、その後、土砂の搬入は止まりましたが業者側とは連絡が取れなくなり、大雨が降った際には土砂が近くの川に流出するため、川にたまった土砂を取り除く対応を取っているということです。

県東部農林事務所は「事業者と連絡が取れれば元の状態に戻すことを求めたい」としています。

一方、不動産業者の代理人を務める弁護士は、NHKの取材に対し「中止命令や土砂流出の話は聞いていなかった。代表者に確認する」としています。