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 【ワシントン=蒔田一彦】米国務省は27日、性別欄に「M(男性)」「F(女性)」ではなく、「X」と記載したパスポート(旅券)を初めて発行したと発表した。LGBTQなど性的少数者らに配慮した対応で、来年初めには全てのパスポート申請者が「X」を選択可能になるという。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、交付第1号となったのは、コロラド州在住のダナ・ジムさん(63)。生まれつき、身体的に男女の判別が付きにくい「性分化疾患」で、男性として育てられた。複数回の手術も受けたが、男女どちらの性も自認していないという。

 ジムさんは、「新しいパスポートの性別欄に『X』と記されているのを見て、涙が出そうだった」とのコメントを発表した。

 国務省のネッド・プライス報道官は27日の声明で、「国務省は性的少数者を含む全ての人々の自由と尊厳、平等を推進していく」と強調した。