天高く馬肥える秋……って、あらやだもう年末。ついこの間サマーセール特集の記事を書いたつもりが、すぐそこに迫るは師走だなんて時の流れは容赦なく早いものです。
さて毎度おなじみ、Steamの季節セールにかこつけたテーマこじつけのゴリ押し特集がやってまいりました。来たるウィンターセール前に重くなったお財布をオータムセールで軽くダイエットしましょう。え、もう買った?もうコンシューマ版で持ってる?ならもう一度買えばいいじゃない(暴君)。
タイトルリスト
今回のテーマは「食べるオータムセール」。食の秋ということで筆者の独断と偏見で選んだ(こじつけた)作品たちはこちら。さっそく紹介してまいりましょう。
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Cooking Simulator
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MiNNaDe Counter Fight
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Moonglow Bay
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天穂のサクナヒメ
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Red Dead Redemption 2
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Monster Hunter: World
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The Forest
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Maneater
Cooking Simulator
料理の秋ということで、まずは作るところから始めたいですよね。今年一人暮らしを始めた学生さんや新社会人の皆さんの中には、そろそろ自炊のレパートリーを増やそうかしら、なんて考え始めてる方がいるかもしれません。そんな方にこそおすすめなのが、各種道具や食材が揃った豪華な厨房で実際に手を動かし究極の一皿を作るお料理シムの本作。食材を取り出すところから始まり、前衛芸術をテーブルにお届けすることに終わるという「もどかしさ一点突破なプレイ体験」という点において、本作の右に出るものはいないと思います。いや、きちんと分量と手順を守ればそれなりの形にはなるんです。ただその際の繊細な操作とあらかじめ用意されたシステム的な動きが、しばしば合体事故を起こしてキッチンが大惨事になるわけで……。ともあれ本作で料理のイロハを学びなおした筆者は、電子レンジと炊飯器による時短メニューに傾倒していきました(台無しなオチ)。
MiNNaDe Counter Fight
料理の秋その2……ということでこちらもおすすめ。もともとはVRゲームのタイトルとして有名なので、知っている方も多くいらっしゃるかもしれません。本作はそのVRをベースにしたお料理アクションの早期アクセスゲーム。時代を越えた見下ろし型の厨房で、やや癖のある操作性のキャラクターを動かして、次々とやってくるお客様の注文に忙殺されていきます。同時進行するシークエンスに対して時間を上手にパズルすることで、テーブルに作り立ての料理を並べられた時の喜びはひとしお。そんな感動を体験できる本作では時短を極めた料理人たちが皿を投げ、いやむしろ自身が宙を舞い、時には殴り合ったり(?)と、料理とは段取りが命がけであるとを身をもって学ぶことができるでしょう。
Moonglow Bay
再生の秋。前述の2つは厨房の破壊神でしたが、こちらは再生の色合いが強いタイトル。本作は亡くなったパートナーとの思い出を胸に再出発を誓った主人公が、海産物を中心に街を復興させていく釣りアクションRPG。魚を釣って調理をするのが基本的な流れで、ボクセルアートで表現される洒落たグラフィックと穏やかなBGMが相まって心地よいプレイ体験を与えてくれます。個人的にイチオシなのがミニゲーム的なデザインの調理システム。冷蔵庫から食材を取り出し、各種調理器具をタイミングよくボタン操作することで破壊神することなく料理は完成。その小気味良いテンポが非常に楽しいですね。釣り自体も、竿の調整や場所などで試行錯誤する楽しみがありつつ、さらに釣った魚を図鑑に登録して埋めていくコレクション要素があって遊びごたえがあります。
天穂のサクナヒメ
豊穣の秋。日本ゲーム大賞2021で優秀賞にもなった本作。食材そのものを取り扱うという意味では、やはりこのスタイリッシュ農業アクションは外せません。敵を倒すのではなく、米を育てて強くなるという斬新なレベルアップ方式で、何よりその稲作システムが他の追随を許さないほど作りこまれているのが大きな魅力。堆肥や水を調整して米を育てる大変さ、皆で囲炉裏を囲んで夕餉を頂く喜び、その献立をあれこれ考えるのもまた楽しい(大吟醸を並べながら)。プレイするほどに「いただきます、ごちそうさま」に実感がこもっていくのが良いですよね。そのおかげもあってか、農家の皆様にはより深く頭が下がりますし、害虫や害獣などに対してはよりサディスティックな感情が高まります。野菜泥棒?ちょっとそこに立っててくださいすぐ終わりますから(首元に連続飛燕)。
Red Dead Redemption 2
食欲の秋。本作の場合はゲームそのものというよりも、主人公アーサーが美味そうに食べる姿がプレイヤーの胃袋をくすぐります。焚火で焙った動物の肉をナイフに突き刺してかぶりつき、道中入手した果物は片手でかじり、酒場では洒落た料理に舌鼓を打つ……それらひとつひとつの挙動や効果音が実に小気味良く響きます。メインのゲームシステムが徹底的に作りこまれた作品だからこそ、食事に関する部分一つとっても高い没入感を得られるのでしょう。特に夕暮れのキャンプ、焚火の前で頂く食事はプレイしながら温かさを感じるほどでした。またゲーム冒頭の越冬パートのような、厳しい大自然の中で獲物を追いかけ静かに仕留めるという、ゆっくりとした興奮もまた楽しいものがありました。
Monster Hunter: World
狩猟の秋。ひと狩りいこうぜ!ということで、先ほどの『RDR2』から狩りの部分をフックにこちらもご紹介しましょう。個人的な話で恐縮ですが、初めてプレイしたPS2の初代『MH』で草食竜アプトノスから肉を剥ぎ取った肉を焼いていた時、ゲームなのに「生きるために食っている」という感覚を得たのは衝撃でした。そんな肉焼き要素はシリーズを通して存在しますが、時代が進むにつれシステム周りが便利になり、現在はどちらかというと伝統として残された要素になっているかもしれません。その代わり「料理」自体がクエスト前の準備として重要な役を担うようになってきました。ただし単純に食材を組み合わせて有利な効果を得る……というだけで終わらず、食事処の演出は料理人による迫力の調理と、ハンターがうまそうに料理を平らげる様子がムービーで流れるのが本シリーズの良いところ。ここで面白いのは料理から見えるシリーズごとの世界観の違いで、いくつかタイトル間で比較してみるのも良いかもしれませんね。
The Forest
生存の秋。「ひと狩りいこうぜ!」でも「ひと」の字が違う気がするそんなゲーム。旅客機の墜落から生き残った主人公は謎の島で連れ去られた息子を探すことに。そのためには鬱蒼とした森林や暗く深い洞窟などで手掛かりを見つけねばならず、しかもそこには恐るべき食人族が潜んでいました。本作の魅力の中で、過酷な状況におけるサバイバル、身の回りで手に入る素材全てを使ったクラフトは大きな要素と言えましょう。また生き延びるために動物を狩って食らいつき、同時に狩られる側としても身を守らなければならないという緊張感も良いアクセント。そんな極限状態のなかで、ふと手元の斧に視線を落とせば、現代社会の倫理観というのは役に立たないと気が付くんですよね……そして手に入る死体の腕……おもむろに焚火で焙り……。
Maneater
捕食の秋。人狩りいこうぜ(直球)!なんたってサメですからね……もう言葉を濁す必要なんてありません。リゾート地で暢気に泳いでいる人間を美味しく頂いてまいりましょう。もちろん人類側も黙って食われるだけでなく応戦してきますし、海には他の生物も多くいるので、食物連鎖や弱肉強食を肌身で感じることができます。ジャンル:サメというだけでネタゲーかと思いきやどっこい、爽快なアクションと作りこまれたグラフィックとが合わさったオープンワールドが魅力。サメの進化要素も同様で、プレイヤーが操るサメは最初から無敵の存在というわけではなく、序盤は他のサメなどに体格差で負けたりしてしまいます。そんなヒヨッコな体がクエストをこなしていく中で徐々に大きく、強く、凶悪な見た目になっていき、さらには電撃といった特殊攻撃も可能になるくらいまで進化していくのは非常に新鮮な面白さでした。
おわりに
食の秋にちなんだいろいろなタイトルをご紹介してきた今回の特集。ここに『The Witcher® 3: Wild Hunt』を並べて色欲の秋、食べるは食べるでも云々……とかオチを着けようと思いましたが、首を刎ねられる自分の姿を幻視したので自重します。
ともあれ「食」自体をメインに取り扱ったゲームはもちろんですが、そうではない作品においても、食事周りでリッチな作りこみがされているのを見ると強く印象に残りますよね。そういう意味において、個人的に『Red Dead Redemption 2』が一番好きかもしれません。プレイしながらジャーキーやコーンビーフをモソモソ食べるくらいには妙な影響を受けるほどでした。
皆様も、「このタイトルの食は良かった!」や「いやいやこの作品は外せないって!」というゲームがあれば、是非コメント欄に書き込んでもらえたら幸いです。
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