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ここ数年、スマートフォン業界全体のトレンドとして顕著なユーザーの「ハイエンドスマートフォン離れ」。

ミッドレンジモデルの性能が全体的に底上げされていることが大きいと言われていますが、国内の売上ランキングでもハイエンドモデルがランキング上位に上がってくるという以前ならば当たり前だった現象が現在ではすっかり見かけなくなりました。

サムスンのGalaxyシリーズでも、今年のS21シリーズはかなり不調だったようで、おそらくこの傾向は他メーカーも同様。

そんな中、世界シェアでは「小数点」となってしまったソニーのXperiaハイエンドモデルがちょっと意外な健闘をしている可能性がでてきました。

ハイエンド市場でXperiaのシェアが急回復?

Redditユーザーがある有名リサーチ会社に勤める人物から得た情報として伝えたもので、これによると、スマートフォンのハイエンドモデル市場全体が縮小する中、Xperiaの同市場でのシェアは今年大きく回復した、とのこと。

ただ、これは必ずしもXperiaスマートフォンの売上台数アップを意味するものではない、とも。

以下は私が適当に作った恐ろしく単純化した円グラフですが、要は以下のようなことだと思います。

ご覧のようにハイエンドモデル全体の売上は100→50になっているものの、Xperiaの売上は10で変わらない、という状態で、ハイエンド市場自体が縮小しているのにも変わらず、Xperiaの売上だけが変わらなければ当然「シェア」はアップします。

つまり、Xperiaスマートフォンが以前より大きく売れている、というわけではなさそうですが、ハイエンド市場全体の縮小が大きい割にはハイエンドXperiaは売上台数減少率が少ない、あるいは横ばいであるため、結果的に同市場でのシェアを拡大している、ということ。

もちろん、具体的な数字が示されているわけではないので確かなことは言えません。

ただ、大手オンラインストアでも同様の現象が観測されているようで、この人物によると、Xperia 1 IIIの相対的シェアは前モデルから2倍になっている、とのことです。

確かにXperiaにはコアなユーザーが多い(特に海外)と言われており、このユーザー層はスマートフォン市場全体のハイエンド→ミッドレンジという「トレンド」とは無縁、という印象を受けます。

たとえ小さなシェアでもがっちり掴んで離さない消費者層がいる、というのはこういったときに強みを発揮するのかもしれませんね。

もちろん、元々シェアがかなり低くなってしまっているXperiaの場合、仮にシェアが0.5%→1.5%になっただけでも「シェア3倍増」と言えるわけで、一口に「シェア拡大」といっても億単位の台数で売り上げているメーカーと数百万台のメーカーとではそのインパクトは違います。

それでもXperiaがハイエンド市場で「相対的」な地位を再び上げてきている、というのは事実は嬉しいですね。

決算でも昨年同期比で「販売台数」の増加

ちなみにソニーは本日、2021年度第2四半期の決算を発表。
この時期はまだXperia 1 IIIやXperia 10 IIIといった2021年モデルはまだ本格的には販売されていない時期ですが、それでも同時期は全同期比で「販売台数」が増加したとのこと。

ソニーは数四半期前に悲願のモバイル部門の黒字化を達成していますが、これはどちらかというと規模縮小による部分が大きく、売上台数自体は下降の一途という感じでした。

一方、今回の情報によるとどのクラスのモデルかは不明ですが、Xperiaの販売台数そのものが復調、ということなので、これはXperiaにとって潜在的にかなり良いニュースなのではないかと思います。

ソース:Redditソニー

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