福井県の敦賀原子力発電所2号機について、日本原子力発電が過去に提出したデータを一部削除して上書きし、最新の調査結果のみを記載していた問題で、原子力規制委員会は別の資料にも疑問があるとして、再稼働に必要な審査を続けるか、改めて判断することになりました。今後の議論によっては審査が中断される可能性があります。
原子力規制委員会は28日の定例会合で、日本原電が敦賀原発2号機の真下を通る断層に関する資料の一部を削除し、最新の解析結果のみを上書きして記載した対応について議論しました。
委員からは、資料の書き換えや誤った記載が少なくともおととし以降相次いでいると指摘したうえで、「資料が適切なものか、正しいかどうかについて非常に疑問がある」という意見が出されました。
また、同じく日本原電が運営し、3年前再稼働の審査に合格した茨城県の東海第二原発にも触れ、「同じ会社なのになぜこうした違いが生じたのか明らかにする必要がある」として、敦賀原発2号機の審査を止めるべきだという意見も出されました。
これについて更田委員長は「再稼働審査の申請書が信頼できるものでないと審査の結果は確定しない。今後どうすべきか改めて議論したい」と述べ、審査を続けるか来月改めて判断することになりました。
今後の議論によっては審査が中断される可能性があります。
さらに「敦賀原発2号機の審査が続けられなくなった場合、東海第二原発で残っている書類確認などを進めるのはどうなのか」などと述べ、東海第二原発の再稼働に必要な手続きにも影響する可能性を示唆しました。