ゲームをプレイしていると「うわぁ~このグラフィック、綺麗だなぁ……」って思う瞬間……ありませんか?
筆者はよくあります。最近だと『Ghost of Tsushima Director’s Cut』で感動しました。PS5版は当然グラフィックは綺麗だし、花や木々が風によって揺れる演出は見ていて飽きません。写実的なグラフィックに映像美的な演出を取り入れた同作は、リアリティとウソをうまく使い分けて人々の目を惹きつけていると思います。
もうひとつグラフィックで感動した作品があります。それは『Tales of ARISE』です。筆者は、先日PlayStation Storeにて配信されたPS5版の体験版をプレイしました。
そしてプレイして真っ先に思ったのが「うわぁ~このグラフィック、綺麗だなぁ……」だったのです。
プレイヤーキャラクターはアニメのようなタッチで描かれているのですが、背景は絵画のようなタッチで描かれています。公式サイトによるとこれは「アトモスシェーダー」というものらしいです。
このグラフィック表現によって描かれたもので特に感動したのが、谷から見下ろした広大な景色。生い茂る木々や、これから主人公達が向かうであろう目的地の町が霧の演出によっておぼろげになっており、その姿は非常に幻想的です。これが写実的なグラフィックなら木々が簡略化されているところが少しばかり見えてしまうのですが、本作の場合は、霧の演出や絵画的な表現を用いて巧みに誤魔化しています。
これが本当に綺麗なんですよ!まさに職人芸といっても過言ではありません。
また注目したいのが光の演出。何気ない道路のタイルをみると、光が差し込む角度によって輝き方が異なることを発見しました。まるで宝石のようです……って自分でも書いてて誇張表現っぽいのですが、本当にこれが前述の景色と勝るとも劣らないほど美しいのです。
さらに太陽の光によって照らされた民家の屋根。陰影のバランスが絶妙で、絵画的なグラフィックでありながらやけに立体的でそこに美を感じました。
残念ながらインサイドでは、記事中の画像はサイズが変わってしまっているので、その美しさを100%の状態で伝えることは出来ていません。体験版をプレイして、できればHDR対応の4kモニターでプレイすると筆者の感動がわかるはずです。
川や池の表現はリアルとはいえませんでしたし、前述のような美しさはそこまでありませんでしたが、水面の表現や水没した木などは絵画的で、セル画時代のアニメの背景を彷彿とさせ、懐かしさを感じました。
ファンタジー系のRPGの中には、機能的ではない装飾が無数にある豪華な建物が登場するじゃないですか。そこにリアリティはないのですが、ファンタジー感を出すための演出のひとつなんだろうなと筆者は捉えていました。
本作にもファンタジーらしさを感じる豪華な城壁が登場しますが、前述した光のせいなのか、それとも絵画的であるにもかかわらず、立体的にみえるグラフィックのせいなのか、ただのオブジェクトとして通り過ぎるのではなく、少しばかり足を止めて見入ってしまう魅力がありました。
「城ならいざしらずただの城壁にこのような装飾を満遍なくつけるなんて……石油産出国なのかここは!?」と少し突っ込みたくなりますが、一方で「ここまで作り込んだ城壁をスルーして良いのか?しっかり鑑賞しないと駄目なのでは?」という気持ちも湧いてきます。
これまで筆者が写実的なグラフィックで描かれるゲームばかり触れていたせいもあるのですが、本作は、グラフィックの綺麗さ=リアルさではないのだな……と改めて再確認させてくれました。
一体製品版では、どのような風景や建物が待ち受けているのでしょうか。本作の発売日である9月9日に期待です。