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Carl Pei(カール・ペイ)氏が初めてNothing(ナッシング)を世界に向けて発表してから5カ月余りが経過した。その間に、同社は時間の流れとともに少しずつ情報を流してきたように思われるが、いずれにせよ、我々は「Ear(1)」のすべてが明らかになるこの日をずっと待っていたような気がする。

ペイ氏とOnePlus(ワンプラス)とのつながりから生まれる話題性や期待感を備えた、新しいコンシューマーハードウェアのスタートアップとしては、非常に賢明な戦略だったと言えるだろう。我々は2月から現在までに発表された多くの(確かにすべてではないが)ニュースを取り上げ、その名前に関するジョークはほとんど聞き流してきた。

親しみやすい……昆虫を使ったマーケティングテーマに注目(画像クレジット:Nothing)

率直に言って、Nothingが発表したニュースの量は、想像を超えていた。ペイ氏へのインタビューでは、ノイズキャンセリング機能の他、99ドル(約1万900円)という価格が明らかになった。最近では、我々は透明な充電ケースの画像とバッテリー駆動時間(ケース併用でANCをオンにした状態で24時間、オフにした状態で36時間)についての情報を、StockX(ストックエックス)のオークションから手に入れた。実際、あとはイヤフォン本体(おわかりのように、これはかなり重要だ)が公開されるのを待つだけだった。

筆者との会話の中で、創業者のペイ氏は美学を重要な差別化要因として強調していた。確かに、このメッセージは、Nothingが公開するために選んだ画像によっていくぶん混乱していた。会社と製品に関連する最初に公開された画像は、実際にはデバイスのPCB(プリント回路基板)のシルエットだった。2つ目の画像は、ペイ氏が祖母のタバコパイプからインスピレーションを得たという初期のコンセプトだった。

画像クレジット:Nothing

このプロジェクトが、発売前にどれだけ繰り返し磨き上げられたかを、Nothingが強調したかったことは明らかだ。実際、当初の発売を数カ月延期したのも、こうした繰り返しがあったからだとペイ氏は話してくれた。まず1つは、Ear(1)を他の製品とは違うデザインにしたかったこと。そしてもう1つは、製品を(部分的にでも)透明にするために、さらに複雑な要素が加わったということ。つまり、内部(部品やそれらをつなぐ接着剤までも)が、外見と同じように美しくなければならないのだ。

Ear(1)についてすぐに言えることがある。それは「似て非なるもの」だということだ。フォームファクタの点から見れば、イヤパッドから長いステムが垂れ下がっているところは、Apple(アップル)のAirPodsに最も似ている。この製品の透明という特徴は、大部分がこのステムに表れている(ケースは別として)。パッド部分は不透明な白色だが、これははっきり言って内部が見苦しいという事実によるものだろう。

ステム部分には、左右を識別するための赤と白の単色のドットがタッチパネルに表示されている。これは、赤が右、白が左を表すRCAケーブルを意識したものだ。もう1つの優れた美的センスは、ステムの長さ方向にプリントされたNothingのロゴに表れている。ドット文字は回路基板のプリントに対するオマージュであり、Nothingのプレス資料にも使われている。反対側には2つのマグネットのドットがあり、ケースの充電ピンに接続する。

画像クレジット:Nothing

ケースは透明なプラスチック製で、一対の小さな丸い凹みがイヤフォンを固定する。3つめの大きな円形の窪みはケースを持った時に親指を置く場所になる。ケースの中央には白い帯が入っているが、これは見苦しい電子部品を隠しているのだろう。

イヤフォン本体には11.6mmのドライバーが搭載されており、デザインチームとしても携わったTeenage Engineering(ティーンエイジ・エンジニアリング)が、オーディオのチューニングを担当している。Bluetooth 5.2を搭載し、Active Noise Canceling(アクティブノイズキャンセリング)機能は、ノイズキャンセル効果が控えめな「Light(ライト)」モードと、強めの「Maximum(マキシマム)」モード、そしてオフになる「Transparency(トランスペアレンシー)」モードの3種類から選択できる。また、イヤフォンを見失った時にはアプリを使って探すことができるなど、他にもさまざまな機能を備えている。

日本での発売は8月17日。価格は税込1万2650円となっている。レビューの掲載を楽しみに待っていて欲しい。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Carl PeiNothingイヤフォンOnePlus

画像クレジット:Nothing

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)