軍によるクーデターが起きたアフリカのスーダンで拘束されていたハムドク首相は解放されたものの、自宅軟禁の状況に置かれているとみられます。
民主化勢力は週末に大規模なデモを呼びかけるなど軍への抵抗を続ける構えを崩しておらず、緊張した状況が続いています。
スーダンでは25日、軍がクーデターを起こしてハムドク首相や複数の閣僚を拘束し、おととしの独裁政権の崩壊後に進めてきた民主化勢力との共同統治を終わらせ権力を掌握しました。
スーダンの首相府は26日夜、声明で「ハムドク首相は解放されたが閣僚たちは拘束されたままで首相も厳重な警備下に置かれている」として、自宅軟禁の状況にあることを明らかにしました。
首都ハルツームでは27日も市民が街頭に出て抗議デモを続けていて、民主化勢力は週末に大規模なデモを呼びかけるなど軍への抵抗を続ける構えを崩していません。
また、AU=アフリカ連合は27日、クーデターを非難し「文民主導の統治に戻るまでスーダンの参加を一時停止する」として参加資格の停止を発表したほか、アメリカも経済支援の凍結を発表していて、国際社会からの圧力も続いています。
ただ軍はクーデターを正当化しこれまでデモ参加者に発砲して多くの死傷者が出ているほか、軍の部隊が道路を封鎖するなどしてデモの封じ込めを強めていて、さらなる衝突も懸念される緊張した状況が続いています。