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19歳の大学生、本多灯選手は初出場となったオリンピックで今大会、競泳の男子選手では初めてとなるメダルをもたらしました。

本多選手の成長のきっかけは「憧れでありライバル」と話す、瀬戸大也選手の存在でした。おととし、ヨーロッパの国際大会で初めて話す機会があったといい、結果を出し続ける瀬戸選手の姿に刺激を受け、練習に打ち込んできました。
ことし4月、競泳の日本選手権の決勝では瀬戸選手と競い合い、自己ベストを更新して優勝。東京オリンピック代表内定を決めました。

この時「うれしいけれど、狙っていたタイムに届かず悔しい」と冷静に受け止め、「日本中、世界中を『あっ』と驚かせるようなレースをしていきたいなと思っています」とすでに先を見据えていました。

その後、ことし6月のジャパンオープン、先月に神奈川県相模原市で行われた大会で立て続けに自己ベストを更新。タイムは1分54秒23とその時点の世界ランキングで2位に当たる好記録でした。

急速に成長を遂げる本多選手に対し、日本代表の平井伯昌監督は「チームとしては上がり馬がいるとすごくうれしいわけです。監督としては大変ありがたい」と大きな期待を寄せていました。

本多選手は27日の準決勝でベストから1秒余り遅い1分55秒31と、全体8位での決勝進出となり「ベストを狙って泳いでいたので、すごく悔しかった。隣の選手に泳ぎを合わせてしまい、そのままレースが終わってしまった」と反省を口にしていました。それでも最後には、「メダルを取り続けている種目なので、表彰台に必ず登れるように。行けないことはない」と力強く答えていました。

憧れの瀬戸選手が準決勝で敗れ、今大会、男子としては初の決勝レースとなった本多選手。期待を一身に受けて重圧がかかる中、19歳の新星は持ち前のラスト50メートルの強さを見せ、宣言どおり日本中、世界中を「あっ」と驚かせました。