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「チェルノブイリ原発事故では、1平方メートルあたり3万7千ベクレル以上の場所が、汚染地域である放射線管理区域とされた」とよく書かれていますよね。
私も最初は、東日本にも放射線管理区域に相当する場所が沢山あるんだと思っていました。
でも実際は、3万7千ベクレルというこの値、実は、事故から5年後のもので、しかもセシウム137だけの値なのだそうです。
朝日新聞にこのような記事が載っていました。

セシウム飛散、250キロ以遠にも 群馬の汚染地図公表

 文部科学省は27日、航空機を使って測定した放射性セシウムの蓄積量について、群馬県の汚染マップを公表した。東京電力福島第一原発事故によって飛散した汚染の帯が、250キロを超えて広がっていることが分かった。

 
8月23日~9月8日、県の防災ヘリコプターで測定した。汚染度の高い地域の帯は、原発から北西60キロ付近まで延びた後、南西に方向を変えて栃木県を越
え、群馬県まで続いていた。文科省によると、放射性物質を含んだ雲が山地に沿って風に運ばれ、樹木や雨によって地上に沈着したと推測できるという。

 
放射性物質の量が半分になる半減期が30年のセシウム137で最も蓄積が多かったのは県北部。原発から約180キロ離れたみどり市や桐生市などの山間部の
一部で、1平方メートルあたり10万~30万ベクレルにのぼった。250キロ離れた長野県境の一部でも3万ベクレルを超えた。チェルノブイリ原発事故では
3万7千ベクレル以上が「汚染地域」とされた。

図:セシウム134、137の蓄積量(Bq/m^2)
TKY201109270722

この図を見ると、群馬県の半分くらいの地域がセシウム134、137の合計で3万ベクレルを超えています。
ぱっと見だと、半分くらいの地域が、チェルノブイリ事故時における放射線管理区域に相当するのかとびっくりしてしまいそうです。

でも、上に書いた通りチェルノブイリは、セシウム137のみ、しかも5年後の数値なので、実際の汚染度は、その倍以上だったと思われます。
群馬県で、放射線管理区域に相当する地域はほんの一部になります。
このくらいの値ですと、ストレスの影響の方がずっと大きいでしょうし、あまり心配しないほうがいいんじゃないかなあ、と思います。。

ただ、群馬県の汚染が茨城などよりもひどいのは、事実のようですね。
どのように除染をしていったらいいのか。除染をしたものを、どこへ持っていくのか。
これからが大変ですね。