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ハイエースのキャンピングカー&e-bikeでワーケーションの旅に挑戦!!

平日に娘を旅行に連れて行きたい!!

 長かった非常事態宣言がやっと開けた。もともと家に引きこもっているのが好きな筆者にとって、テレワークという働き方は嫌いではなかった。2歳児の父なので、娘の成長を日々目の当たりにできるのもうれしい限りだ。

 ただ、毎日新しいことを覚えてくる娘を見ていると、本当ならこの時期にいろいろなところでいろいろな経験をさせてあげたいんだよなぁ、とも思ってしまう。とはいえマスクもできない2歳児を週末の混雑の中に連れ出すのは気が引けるし、人の少ない平日に遊びにつれて行ければなぁ……。

  「そうだ ワーケーション、行こう。」

ワーケーションで人混みを避けて楽しみたい

 ワーケーションなら、何日も仕事に穴を開けることもないし、混雑をさけつつ娘を遊びに連れて行ける。まずは気軽に2泊3日程度からでいいじゃないか。初日と最終日は有給を使って移動日としつつ、中日は旅先でワーケーション。お父さんは仕事をしつつ、奥さんと子供には遊びに行ってもらうという作戦だ。

 せっかくならキャンピングカーを使ってみたい。我が家には愛犬がいるので、ペット同伴で泊まれる宿は限られてしまうのだが、ペット可のキャンピングカーを借りれば、宿を気にせず旅行にいくことができる。

 ただし問題があった。キャンピングカーで仕事をするとなると、その間は奥さんと子供の移動手段がない。ならば自転車を積んで行ったらどうだろうか。僚誌e-bike Watchのスタッフに相談してみると、面白そうな企画だとe-bikeを借りる手配をしてくれることになった。

お父さんはキャンピングカーで仕事、お母さんと子供はe-bikeでサイクリング!

 筆者はキャンピングカーで仕事をしつつ、妻と娘はe-bikeでサイクリングだなんて、想像しただけでも楽しそうじゃないか!! ということで、実際にキャンピングカーにe-bikeを積んでワーケーションしてきたので、その模様をお伝えしたい。

クマのシルエットが描かれたキャンピングカーを前に「クマしゃん」とポーズ

撮影をしているそばから「じてんしゃー、のるー」とうれしそうな娘。サイクリングもバーベキューも全てが楽しかったようだ

 ちなみに最初に言ってしまうと、インドア派な筆者にとってアウトドアはとても大変であった。

 しかし娘にとってはとても楽しい経験だったようで、旅行中はお昼寝もしてくれないほど終始テンションが高く、自然の中を走るサイクリングも楽しかったようで「じてんしゃー、のるー」と何度も繰り返していた。

 旅の帰り道、電池が切れたかのように寝入っていた娘が目を覚ますと、見慣れた風景に旅行が終わったことを理解したのだろうか、急に泣き出してしまった。まだ自分の気持ちをちゃんと言葉にできないので、本当の理由は親には分からないが、きっとそうなんだろうなと思えるぐらい旅行中は楽しそうだったし、親にとっては大変だったけど、それでもまた連れていってあげようと思える旅になった。

ミニバンサイズのハイエースキャンパーで清里に星を見に行きたい

 では出発前に話を戻そう。まずは目的地について。

 今回は初めてなので都心からも2時間ちょっとで行ける清里を目的地とした。ここはペットにも優しい観光地で、何度か訪れたこともあるので、初めてのキャンプ旅としては良さそうだ。そして、もうひとつこのエリアを選んだ理由が、「星がきれい」だということ。

 せっかくワーケーションに行くのなら、仕事前後にも楽しめるイベントを用意しておきたい。筆者は写真撮影も好きなので、星空の撮影ならお父さんの仕事が終えた後でも楽しめる。さらに我が家の娘は視力がいいようで、夜空を眺めてよく星を見つける。なので、都心では見られない満点の星空をぜひ見せてあげたかった。

 続いてキャンピングカー選び。キャンピングカーのレンタルはたくさんあるが、今回利用したのは、キャンピングカービルダーとしても有名なトイファクトリーのレンタルサービスだ。

 ここを選んだのはベース車両がハイエースだったため。レンタルキャンピングカーではトラックをベースにしたモデルが多いが、車体が大きいうえに後方も見えず、運転が大変そうだ。また、自転車を積載するのにも、ハイエースベースのシンプルなモデルのほうが積みやすそうでもあった。

トイファクトリー東京でレンタルしているハイエースベースのキャンピングカー。一般的なミニバンサイズなので、立体駐車場などでも背の高さを気にする必要がない

 トイファクトリーのレンタカーには何種類かのモデルがあるが、ペット可のモデルとして用意されるのは「Green Buddy」というモデルでレンタル料金は最初の24時間で1万9000円から。いくつかボディサイズがあるハイエースの中でもコンパクトなモデルで、サイズは4695×1695×1980mm(全長×全幅×全高)と一般的なミニバンとほぼ同じ。装備もキャンピングカーとしてはシンプルで、就寝定員は2名となるが、小さい子供なら3名でも寝られるとのこと。キャブオーバー車なので若干慣れが必要だが、後方視界を遮るような装備もなく、ノーマルのハイエースと同じ感覚で運転することができる。

 装備としては、エンジンを止めているときでも電源が確保できるサブバッテリーとAC100Vが使えるインバーター、オートキャンプ場などでコンセントがつなげられる外部電源、エンジンを掛けなくても暖房が使えるFFヒーターなどを装備。これならワーケーションをするのにも十分だし、eーbikeのバッテリーが減ったら充電もできる(まぁ2泊3日ぐらいで使うことはないと思うが)。そして後方のベッドマットを取り外せば、自転車を2台積むスペースも確保できる。

 今回はここにチャイルドシートを装着したBRUNO(ブルーノ)のe-bike「e-tool(イーツール)」と、BESV(ベスビー)のフルサスe-MTB「TRS2 AM」を積んで行く。最終日は筆者もe-MTBで一緒にサイクリングするつもりだ。

ベッドマットを外せば自転車が2台積める。MTBをタイヤを外せずに積めるのはスゴい!!

実際にはほかにも着替えや寝袋などがあるので、それらをすき間に詰め込みつつ、自転車が倒れないように固定している

不慣れなアウトドアに悪戦苦闘、でも奇跡的な星空に疲れも吹き飛ぶ

 そして夕方、いよいよキャンプの醍醐味、バーベキューだ。

 バーベキューコンロを借り、どうせなら焚き火を楽しもうと焚き火台もレンタル。どうやら筆者の所作から素人であることを察したようで、スタッフの方が「火つけにいきましょうか?」と気遣ってくれた。ということでお言葉に甘えることにする。

 しかしこの辺りからいろいろと順調にいかなくなる。

 まず、娘が昼寝をしている間に妻に料理をしてもらおうと思っていたのだが、テンションマックスの娘はまったく寝付く様子がなく、妻の手がふさがってしまった。

 本来であればこの日は定時までワーケーションの予定なのだが、妻が娘にかかりきりなので筆者が準備をしなければならない。この時期16時過ぎには暗くなり始めるので、もはや仕事どころではない(苦笑)。しかもバーベキューの準備に気をとられていたら焚き火が消えてしまって慌てて薪を足してフーフー吹いてなんとか再点火。と思ったら今度は肉が焦げる~、と大忙し。

 妻も娘の面倒を見つつ、米を炊いたり味噌汁を作ったりして、とりあえず娘に食べさせることを優先。筆者も妻も慣れないアウトドア料理にアタフタだったが、娘は外で食べる食事がおいしかったようで、「おにくーおにくー」とうれしそうにしていたのが親としては救いだった。

いよいよバーベキュー。娘にとっては初体験

肉、そしてハマグリ!

焼く!!

青さの味噌汁が暖かくておいしい

初めての焚き火。パチパチ言うのが怖いのかやや緊張の面持ち

 FFヒーターで車内を暖めつつ娘を寝かしつける。FFヒーターはかなり強力で、外は寒いが車内とカーサイドテントの中は暖かくて助かる。キャンピングカーを借りてよかった。

 どうにかある程度片付けが済んだところでふと夜空を見上げると、夕方からかかっていた雲が途切れ始め、星空が見え始めていた。雲の間から見えるだけと言っても、見える星の数は段違いだ。娘にこの星空を見せたかったと思いつつ、やっと寝かしつけた娘を起こす気にはなれず……。

 せめて写真で見せてあげようと三脚とカメラを引っ張り出すと、雲はどんどんと流れて行って、気が付けば頭上に満点の星空が広がった。これが見られただけでもワーケーションに来た甲斐があると感じられるほどの星空だ。

 最近のデジカメはISO感度がとても上げられるので、三脚さえあれば比較的簡単に星空を撮ることができる(もちろんこだわれば奥が深いのだが)。夜にできる星景撮影はワーケーションとの相性がよいのでオススメだと思う。

管理棟を入れて撮影

いつもはオリオン座しか見えないが、その周りにはこんなにもたくさんの星があることに驚かされる

最終日は家族そろってサイクリング、八ヶ岳の絶景を満喫!!

 最終日はお父さんも休みを取って家族そろってサイクリングに。清里周辺は坂道も多いが、e-bikeなら気軽に気持ちのいいサイクリングが楽しめるはずだ。

 午前中に撤収作業を済ませてチェックアウトをしたら、清里駅近くの無料駐車場にクルマを置いて出発。目指したのはそこから5kmほどの八ヶ岳高原大橋だ。

 実は初日にもこの橋をクルマで走っていて、あいにくの曇り空だったのだが、それでも絶景を楽しめた場所。最終日は天気が良かったのでさらにいい景色が見られそうだと期待してe-bikeを走らせたのだが、そこにあったのは予想以上の絶景!! 山の木々は紅葉で鮮やかに色づき、眼下には川が流れる。また遠方には雪化粧した富士山を望むこともできた。

八ヶ岳高原大橋

気持ちよく晴れた最終日。八ヶ岳高原大橋からは富士山も望む絶景が見られた

自転車を降りてしばし絶景を楽しむ

こちらは初日の様子。雲が出ていたが偶然にも虹を見ることができた

 再び清里駅の方に戻って、今度は八ヶ岳公園サイクリングロードを走ろうと思ったが、時間的に厳しそうなのでここで終了。清里サイクリングロードはこの季節だと落ち葉だらけだったが、新緑の季節や夏場に走ったら涼しくて気持ちよさそうな道だ。

八ヶ岳公園サイクリングロード

八ヶ岳公園サイクリングロードも走りたかったが時間切れ

 最後に娘にソフトクリームを食べさせたいと清泉寮に移動。娘にとっては人生初のソフトクリームだ。これがかなりおいしかったようで、妻と半分ずつにするつもりが、ほとんど娘が食べてしまった。

最後は清泉寮へ

娘の初ソフトクリーム、冷たいとも知らずにわしづかみしてビックリ

足湯もあった

 というところでここで旅は終了。筆者と妻はヘトヘトだったが、娘は帰ることに気が付いたのかなかなかクルマに乗りたがらない。清泉寮も子供やペットを遊ばせるのにはいいスポットなので、次回はもっとゆっくり遊びに来たいところだ。

 最初にも書いたとおり、不慣れなアウトドアに、撮影もしながらということで、なかなか思い通りに行かない部分も多かったが、娘の楽しそうな様子を見ていると、やっぱり来て良かったと思える旅だった。妻も同じ気持ちだったようで、次行くときにはもっと事前に準備をしていこうとリベンジする気満々だ。

 平日ということで、人混みをあまり気にせずに済んだし、初めてのキャンピングカーはFFヒーターが秀逸で、これからの時期でもまだまだ楽しめそうだった。それとe-bikeがあったのもよかった。カーサイドテントなどを設営してしまうとなかなかクルマでは動きにくくなるが、e-bikeなら坂道も気にせず気軽に出かけられる。

 キャンピングカー+eーbikeはオススメの組み合わせだと思う。いいじゃないか、平日ワーケーションの旅。またチャンスを見つけて楽しんでみたい。