もうすぐ2021年も終わりだが、みなさんはこの1年どんな年だっただろうか。筆者は昨年に続いてパンデミックに翻弄された、大変な1年だったが、無事に年末を迎えられてかなりホッとしている。
今年は新型コロナウイルス感染症だけでなく、東京オリンピック・パラリンピックや、全国的なワクチン接種、菅内閣の総辞職にともない新たに岸田内閣が発足するなど、悲しい事件もあれば嬉しい事件もあった。
海外では米国ではバイデン大統領が就任したほか、タリバンがアフガン制圧したり、フェイスブックが「メタ」に社名変更するなど話題には事欠かなかった1年だったと感じている。
そんな激動の一年を “報道写真” で振り返るゲッティイメージズの 「Year in Review by Getty Images」 が今年も発表されている。
「Year in Review by Getty Images」 は、2021年を象徴する写真を写真や映像のライセンスビジネスを展開するGetty Images (本社:米国シアトル) が提供する、1年の振り返り企画。
新型コロナウイルスに世界中が脅かされた1年を乗り越え、ワクチンの普及や各国の懸命な感染症対策により、経済活動を再開させる動きが進み、日常生活や働き方だけでなく、スポーツやエンターテインメントのシーンでも賑わいが戻った2021年。また、気候変動により世界中で発生した自然災害、史上初無観客で行われた 「東京オリンピック・パラリンピック」 、リアルを取り戻した映画祭やライブコンサートなど、世界史に刻まれた歴史的な1年を切り取った。
① The Year of the Vaccine / 新型コロナウイルスワクチン接種によって広がった世界
2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるため、世界中であらゆる感染症対策が講じられた1年となった。
要介護者や高齢者を対象としたドライブスルー型のワクチン接種や、パチンコ店やスポーツ施設を開放した大規模接種活動など、自治体や公共施設が地元の医療機関とタッグを組んだ日本、ワクチン接種者にビールなどの日用品を無料提供したアメリカ各地や、地下鉄の駅構内に大規模接種会場を設けたブラジル・サンパウロなど、ワクチン接種普及に向けた各国の取り組みが、数多く報道された。
一方で、イギリス政府がコロナウイルスに関する法律を強化したことを受けて、トラガルファー広場に集まった数千人の反マスクデモ参加者や、フランス・パリで開催された抗議デモ 「Stop the state of heal the mergency」 など、ワクチン接種やマスク着用に対する抗議の様子も多く報道された。
② Our Continuing Climate Crisis / 迫り来る気候変動の危機
グリーンランドやアイスランドでは氷の融解が進み、さらなる海面上昇が懸念されている。また、カナダは記録的な熱波に襲われ、50°C近い観測史上最高気温が更新され、何百人もの命が失われた。ギリシャやトルコ、そしてアメリカ西部のカリフォルニア州などでは山火事が相次ぎ、中国の北部・山西省ではこれまでの想像を超える大規模な洪水に見舞われた。
日本でも、8月の静岡県熱海市の豪雨に伴う土砂災害のような、社会や人々の日常生活に影響を与える異常気象が頻繁に起こり、東日本大震災の発生から10年の節目を迎えた2021年は、自然災害の脅威を改めて見つめ直す年となった。2021年10月にイギリス・グラスゴーにて開催された、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議 (COP26) では、世界の気温上昇を抑えることに焦点が当てられ、深刻化する気候変動への具体的な対策に向けて、世界が再起を誓った。
③ The Comeback of Social Interaction / 社会的交流の復活
キャンセルを余儀なくされたイベントがデジタルに移行し、2021年後半にはワクチン接種の普及ともに、多くのスポーツ・エンタメ・セレモニー・イベントなどの社会的交流が復活した。人と人との接触を控えながらも、人々が同じ時間や空間を共有し、共感や交流を深められるような演出や工夫がみられた1年となった。
新型コロナウイルスの影響で、2021年に延期となっていた 「東京オリンピック・パラリンピック」 は、史上初の無観客で開催され、世界中にスポーツの熱狂とアスリートの感動が届けられた。一方で、イタリア代表が53年ぶりの優勝を果たし、世界中のサッカーファンを熱狂させた 「EURO2020」 、ジョコビッチ選手が自身の最多記録を更新する9度目の栄冠に輝いた全豪オープン、松山英樹選手が日本人として初のメジャー制覇を遂げたゴルフのマスターズ・トーナメントなど、リアルなスポーツイベントを通じて、世界を勇気づけようという風潮が戻ってきた1年だった。
「Year in Review by Getty Images」 の発表にあわせて、ゲッティイメージズのコンテンツ部門グローバルヘッド ケン・マイナルディス氏は、「2021年は、激動の2020年を乗り越え、世界が回復していく様を伝える重要な責任がありました。ニュース、スポーツ、エンターテインメント、アーカイブ、すべてのコンテンツを通して、社会回復を象徴するストーリーや人々に焦点を当てたビジュアルが持つストーリーの力強さを、改めて証明することができました。」 と2021 年を振り返っている。
果たして、あなたにとって2021年はどんな1年だっただろうか。スマートフォンに撮り溜めた写真や、カレンダーなど見ながら、いま一度思い起こしてみてはどうだろうか。