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東京五輪・体操男子個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝選手のインスタグラムで、一部ユーザーによる「荒らし行為」が相次いでいる。

橋本選手のアカウントにタグ付けする形で「日本国辱」「日本国の恥」などと書かれた画像を投稿。中には「原爆投下」の写真もあった。

「捨てアカウント」とみられる投稿も

橋本選手は2021年7月28日、体操男子・個人総合決勝に出場した。最終種目の鉄棒を迎えるまで中国の肖若騰(シャオ・ルオテン)選手、ロシアオリンピック委員会のニキータ・ナゴルニー選手に次ぐ3位だったが、最後の鉄棒で14.933の高得点を記録。有力選手を僅差で交わし、自身初の金メダルを獲得した。

しかし、2位に終わったシャオ選手の母国・中国の体操ファンの間では、判定に対する不満が噴出。ネット上で目立っているのは、橋本選手が跳馬の着地時にマットから足が出たものの、14.7の高得点がつけられたことに対する疑問の声だ。試合後、中国のSNS「微博(ウェイボー)」では採点をめぐり紛糾した。

橋本選手のインスタグラムでは「荒らし行為」も発生している。橋本選手のアカウントにタグ付けする形で「日本国の恥」「日本国辱」という文言が添えられた画像や、中指を立てた絵文字の画像、「原爆投下」の写真を投稿するユーザーが現れた。

同一ユーザーが同じ写真を複数投稿しているケースが多く、一連の「荒らし投稿」以外に投稿がない「捨てアカ」とみられるアカウントも確認できる。

体操男子日本代表の水鳥寿思監督は29日、事態を受けて「採点に対する不満の矛先を選手や指導者に向けるのはとても悲しいことですね。私たちは良い演技を目指し採点を待つだけ。もしも開催国に有利な採点ができるとすれば、日本は団体決勝で0.103の差で負けることはないはず。公平な採点は体操の価値そのものだと思います」とツイート。続けて、橋本選手への肖若騰選手の祝福コメントを伝える記事を引用し、次のように書き込んだ。

「中国チームの強さは良く知っているし、とても尊敬しています。だからこそ、2年前に中国との合同合宿が実現しました。試合後、私たちはお互いの健闘をたたえ合いました。橋本選手は試合をしながら他の選手を応援していました」