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2022年のCESでは知名度の高い出展企業が次々にリアル参加を見合わせているが、Samsung(サムスン)は来週の展示会に向けてそのままがんばろうとしている企業の1つだ。CESはかねてから、テレビや洗濯機、時にはロボットまで、エレクトロニクス分野における同社の幅広さを示す良い展示会として機能してきた。

しかし、ここ数年のCESでは、SamsungのC-Lab部門が社内インキュベーターで作られたプロジェクトを紹介し、同社の秘密兵器となっている。C-Labのプロジェクトは、社員が自由にペットプロジェクトとして作ったもので、実用的なものばかりではないが、おもしろいアイデアが多いのが特徴だ。

つまり、Samsungのような巨大企業では、通常は射程に入らないようなことをやっているのだ。例えば、前回のクラスには、窓型の人工日光ライトやスマートハイライターなどが含まれていた。今回のバッチは3つのカテゴリーに分かれている。C-Lab Inside、C-Lab Outside、そしてSamsungから事実上スピンアウトしたプロジェクトだ。

3つのステージのうち最も早い「Inside」には、子どもたちがスマートフォンを正しく使う習慣を身につけることをサポートするAI搭載アプリ「Piloto」、AIによるオンライン試験サービス「PROBA」、乳幼児の眼位を検出することで斜視を早期発見するモビール「innovision」、LEDガイドで弾き方を学べるスマートギター「ZamStar」などが含まれている。2018年に設立された「Outside」は、韓国のスタートアップにガイダンスを提供するアクセラレーターだ。Samsungによると、今回そのリストには以下の9社が含まれている。

  • AIによるペットの生体認証ソリューション「Petnow」
  • モバイル機器向け3Dイマーシブオーディオソリューション「Digisonic」
  • インタラクティブなメタバース音楽アプリ「Verses」
  • 自律走行やスマートシティ向けのイメージングレーダー技術ソリューション「bitsensing」
  • AIベースのデータ収集・ラベリングプラットフォーム「SELECTSTAR」
  • 多機能モジュール式給仕ロボット「RGT Inc.」
  • 視覚障がい者のアクセシビリティと生産性を向上させる入力システム「MoreDream Inc.」
  • 車載ディスプレイをカスタマイズするプラットフォーム「Yellowknife」
  • 高齢患者向けスマートオムツケアソリューション「MONIT」

2012年に設立されたC-Labは、これまでに406社のスタートアップを育成しており、Samsungはこの数字が2022年には500社に到達することを期待している。

画像クレジット:Samsung

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)