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 「結構ガチです」「ここだけの話」「厳しいことを言うけど」……。Twitterでは、こうした定型句で有益そうな情報の断片を書き込むアカウントが多い。巨大IT企業の肩書を名乗ったり、大きく稼いで早期リタイアする「FIRE」を達成したという触れ込みのアカウントもあるが、真に受けると“落とし穴”にはまることもあるようだ。

 こうした投稿は、自己啓発や仕事術、副業や暗号資産(仮想通貨)の運用などのノウハウを紹介したものが多い。GoogleやAmazonなど「GAFA」勤務や、「FIRE」を自称するアカウントもある。

 Twitterでは情報の一部を紹介し、肝心な部分は「プロフィールに書いてあります」とぼかして別サイトに誘導するという流れだが、似た構成の投稿があまりにも多いため、不審な目を向けられるようになった。

 こうした投稿の正体についてITジャーナリストの三上洋氏は「ほとんどは情報商材を売りつけることが目的で、別サイトで販売する有料記事を買うよう促してくる。意識の高いアカウントからの返信が集まることで信頼を高めているが、それも自作自演的に用意したものであるのが実態だ」と解説する。

 「厳しいことを言うけど」から始まる“説教型”もある。特定の情報について「知らない人が多すぎる」「思考停止して〇〇ばかりしていてはダメ」などと指摘する内容で、三上氏は「ゲームや音楽などのジャンルについて語る際の定型ネタとしても使われているが、情報商材を売る目的のものもある」という。

 より露骨なのが、アカウントのフォローやリツイート(拡散)を条件に、抽選でプリペイドカードや現金をプレゼントするというものだ。

 ZOZO創業者の前澤友作氏は実際にフォロワーにお金を配ったことで話題になったが、そんな富豪はそうそういない。

 「当選の通知を送る際に特定のサービスに登録を促したり手数料を求められるなど詐欺的なアカウントも多い。フォロワー数を増やした上でアカウントを販売するのが狙いとみられ、アカウントの買い手もまた、情報商材の販売などに悪用する目的が多いようだ」と三上氏は解説する。

 Twitterの規約ではアカウントの売買は禁止されているが、フォロワー約6000人のアカウントが約2万円、3000人前後のフォロワーを持つアカウントが約1万5000円で取引されているサイトもあった。

 型にはまった助言こそ疑ってかかる必要がありそうだ。