自宅にいながらでも動物園を楽しめるアプリ「one zoo(ワンズー)」。毎日、全国の動物園から届く動物たちのかわいくて癒される動画が見られ、赤ちゃん誕生やイベントなど動物園の最新情報も知ることができる、全国の動物園と動物園ファン、動物好きをつなぐアプリだ。
起動すればすぐに動物たちの動画がランダムに次々再生され、自宅にいながらにして、全国の動物園にいる様々な動物たちの姿を楽しむことができるのだ。
いま全国の動物園はそれぞれに動物の見せ方を工夫し、地域色を前面に打ち出した展示を行なっている。行くときっと楽しいはずなのだが、大人になると機会に恵まれないという人も多いだろうし、自分が住んでいない地方の動物園だとなおさら行く機会は少ない。もちろん動物園ファンで足しげく通う人もいるだろう。だが、コロナ禍で思うように動物たちにも会いに行けない。
「one zoo」は動物園と人々の架け橋となる。しばらく動物園のことを考えていなかった人が自然と興味を持ち、動物園ファンは好きな園や好きな動物の日常を見ることができ「また動物園に行きたい」という気にさせてくれる。
今回は、そんな「one zoo」を使って、自宅でどんな楽しみ方ができるのか紹介していこう。
「one zoo」でできること
現在、「one zoo」は、「旭川市旭山動物園」(北海道)、「よこはま動物園ズーラシア」「金沢自然公園金沢動物園」「野毛山動物園」(神奈川)、「天王寺動物園」(大阪)、「福岡市動物園」(福岡)、「のんほいパーク」(愛知)、「とべ動物園」(愛媛)、「日本平動物園」(静岡)という、全国9つの動物園と協力してサービスを提供している。
※2021年3月31日現在
アプリを起動すると、[おすすめ]としてこの9園から日々届く動物たちの動画がランダムに再生される。
たとえばこれは[おすすめ]にランダムに出てきたホッキョクグマ。
かわいいなと思ったら「ハート」を送ることができる。SNSの「いいね」のようなもので、ここから「ともだち」登録が可能。登録した「ともだち」は一覧できる。
いま登録した[イッちゃん]をタップすれば、[動画一覧]からは同じ個体の動画が一覧できる。こうして、「one zoo」で動物たちを見ていると、いつの間にか動物の種類ではなく、「ともだち」として名前を覚えてしまう。単なる動画視聴ではなく “会いに行く”ような感覚を楽しめるようになり、やがて実際に動物園に会いに行きたくなる。
また、[関連動画]からは「ともだち」だけでなく、全国の動物園のホッキョクグマの動画が見ることができ、[なかま紹介]のタブからは、同じ園にいるホッキョクグマの情報を知ることができる。
また、気に入った動画をもとに、その個体が暮らしている動物園の情報を見ることもできる。
「ちょっとかわいいな」と思ったホッキョクグマの名前がわかり、「天王寺動物園のイッちゃん」として、愛着が湧いてくるだけでなく、会いに行く時の詳しい情報もわかる。動画再生アプリでは体験できない「one zoo」ならではの楽しみ方だ。
「one zoo」が発信される現場=動物園を訪ねてみた
今回は、旭川市 旭山動物園の飼育展示スタッフである佐藤和加子さんに、動画撮影の様子を聞いた。
佐藤さんは現在、タヌキなどの飼育を担当しながら、動物園のSNSや「one zoo」に掲載する動画を撮影している。そもそも、旭山動物園では公式ウェブサイトに飼育員によるブログがあり、そこで動物のトピックを発信していたそう。
「動物たちの些細な日常を撮影するように心がけています。投稿するためになにかをさせたり、珍しいシーンを狙おうとは思っていなくて、ありのままの動物たちの日常をお届けしたいんです。そんななかでも普段から接している私たちだからこそ撮影できるものがあって、たとえば意外に身体能力すごい! みたいな、そういうところをお見せできたらいいなと思っています」
「私や飼育員たちが撮っている映像は、動物園のありのままの姿。『one zoo』では動物園の“今”を伝えたいですし、それがファンのみなさんの心に届くのではないかと感じています。
それと、『子カバの凪子(なぎこ)』や『キリンのゲンキ』のように個体ごとの名前で発信しているので、『one zoo』で予習しておいていただくと、実際に来園いただいたときの楽しみは増すと思います」
全国の動物園では、個々の動物に関するさまざまな情報を、各スタッフが手書き看板や個別のガイドなどで、わかりやすく伝えている。
たとえばこちらは旭山動物園動物の情報を伝えるために手作りしている展示だ。
こうしたものは動物園に行かないと見ることができないが、「one zoo」を使うことで、動物園が伝えたい動物の情報を自宅に居ながらにして知ることができるのである。
さらなる「one zoo」の楽しみ方
「one zoo」では、プロの動物カメラマンが撮影した映像も楽しめる。ドローンやラジコンカーなどを利用したもの、定点で長時間捉えた映像、エサ目線などなど、現場のスタッフによる親しみやすい動物の姿とはひと味違うドラマティックでワクワクさせられる動画が提供されているのだ。
そして、熱心な動物園ファンには、各動物園のニュースも好評だ。
たとえば、前述した天王寺動物園のホッキョクグマ・イッちゃんの「なかま」だったゴーゴのよこはま動物園ズーラシアへの移籍決定や赤ちゃんの誕生、施設の拡充など、ファンが各動物園のwebサイトやSNSでキャッチしていたようなニュースを「one zoo」では、まとめてチェックできる。
自宅で楽しみ、動物園でも楽しめる「one zoo」
「one zoo」は動物園の楽しみ方を広げるツールだ。今回は、自宅で楽しめることを中心にご紹介したが、オリジナルの園内マップや音声ガイド・記念撮影に使えるARカメラなど、動物園に行くことで楽しめる機能も数多く搭載している。そして新機能「one zooスコープ」も追加予定。これは、スマホのカメラで動物を見ることで、その動物の名前やプロフィールなどが表示されるというもの。
サービス担当者は、「one zoo」を「自宅で動画を見るという動物園外の楽しみがあり、実際に動物園に行ったときの体験価値を新たにするもの」だと説明する。
「動物園は日本でも100年以上の歴史を持つ国民的レジャーの場であると同時に、命の大切さを伝える『学習・教育の場』です。昨今のコロナ禍もあり、来園する機会が減少しているなか、少しでもみなさんに動物園の楽しさを知ってもらいたいと『one zoo』をご提供しています。それは動物園のみなさんにとっても同様です。通信テクノロジーを活用することで、いま以上に動物園の持つ魅力を広く発信していくお手伝いができたら、と考えています」
実際に動物園に出向いた時にも、自宅にいても、このアプリならではの動物たちの姿を見ることができ、動物園での体験価値を倍増させてくれる。なかなか行けない離れた動物園でも、「one zoo」なら動物園の魅力を最大限に味わうことができる。隙間時間やおうち時間を楽しむための手段としてぜひ活用してみてほしい。
そして動物園に行ったとき、「one zoo」があればどんな体験ができ、楽しみがどう広がるのか、あらためてお知らせしよう。