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BMW M3 G80の軽量化による性能向上は、レーストラックでの使用をさらに意識したものとなっている。BMWのエキスパートチューナーである、ライトウェイトが、「BMW M3(G80)」のためにレース場に特化したチューニングパーツを開発。サスペンション、リム、マフラー、エアロパーツが揃い、さらにその先が待っている。レポート。

BMWを速くすることに関して、ライトウェイト パフォーマンス社はまさに最前線にいる。そしてこのチューナーは、主にレーストラックでの性能向上に重点を置いている。そのため、「BMW M3 (G80)」のニューパーツ開発では、当初、性能向上は後回しにされた。

アイバッハとビルシュタインによるシャシー開発

その代わり、ライトウェイト社は当分の間、ラテラルダイナミクス(横方向の挙動)に注力する。
そして現在、2つのシャシーを開発中だ。
一つはアイバッハと共同開発しており、すでに「M2」だけでなく、Fシリーズの先代「M3」と「M4」にも装着されている。
現在、このシャシーは、G80型の「M3」とG82型の「M4」に適合するようにチューニングされている。

加えて、ドライビングダイナミクスの大幅な向上と日常の使い勝手の良さを追求し、簡単な調整オプションも用意されている。
また、ビルシュタイン社ともサスペンションも共同開発中だ。
新型「M3」、「M4」用のスプリングセットは既に発売されている。

OPF製エキゾーストシステムがEC認証取得

さらにサウンドを追求するために、OPFのエキゾーストシステムが用意されており、ECの承認をすでに受けているため、登録不要となっている。
現在、HJSと共同開発したECE認証のためのダウンパイプがテストされている。
ライトウェイト社はまだエンジンに手をつけていない。パワーユニットの性能向上は後日行われる。

エンジン面では、「M3コンペティション」は現在、3リッターのツインターボ直列6気筒から480馬力または510馬力を出力している。
従って、標準性能の数値は似たようなものになると思われる。
0-100km/h加速4.2秒(コンペティション3.9秒、xDrive全輪駆動車3.5秒)、最高速度290km/hは決して遅いとはいえない。

リアウィングはカーボン製で、調整可能となっている。現在、このパーツは「M3」用のみであり、「M4」用はまだない。

コントラスト塗装を施したホイール

シャシーやエキゾーストに加え、チューナーはエアロダイナミクスの調整も行っている。
フロントにスポイラーブレードを追加している。
このパーツはカーボン製ではなくポリエチレン製で、サーキットでの縁石接触に対する恐怖心を解消している。
トランクリッドには、角度調整が可能なカーボン製のリアスポイラーが鎮座している。

ゴールドのホイールは、M3のグリーン塗装との組み合わせで効果倍増だ。

写真の車両には、マットゴールドの10×20インチと10.5×21インチのアロイホイールが装着されており、マン島グリーンのボディカラー塗装とよく調和している。
ホイールには、フロント285/30、リア305/25のミシュラン製パイロットスポーツ4Sタイヤが装着されている。
サーキット走行用には、ライトウェイト社ではアクスルにセミスリックの小さなホイールを装着している。

ライトウェイトは、要望に応じて、チューニングの費用を明らかにする。
チューナーは、上記のコンポーネントに加え、「M3(G80)」および「M4(G82)」を近々、「クラブスポーツ」にアップグレードすることを発表している。
だから、待つだけの価値はあるはずだ。
新型「BMW M3」を購入するためには、マニュアルのベースモデルで83,500ユーロ(約1,085万円)、コンペティションは90,500ユーロ(約1,176万円)が必要とされる。

Text: Moritz Doka
Photo: LIGHTWEIGHT