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小堀龍之

 マンガ「ドラえもん」に登場する「のび太」の名前がついた恐竜の新種足跡化石「エウブロンテス・ノビタイ」のレプリカ(複製品)の展示が30日、東京・上野の国立科学博物館で始まった。ドラえもんファンの中国人研究者が名付けた肉食恐竜の足跡だ。

 化石は、中国地質大学の邢立達(シンリーター)准教授らの研究チームが昨年、四川省で約1億2500万年前の白亜紀の岩石から見つけた。足跡は長さ約30センチの3本指で、かぎ爪があり、二足歩行した獣脚類の仲間とみられる。足跡の大きさから、恐竜は全長約4メートルと推定された。

 研究チームは、足跡を残したのは当時、中国にいた肉食恐竜カルカロドントサウルスの仲間の可能性があるとみているが、足跡の主の正体をつきとめることは難しい。足跡だけでも学名がつくことがあり、今回は指の開き方などの特徴から、新種と判断された。

 邢さんは昨年公開された映画ドラえもん のび太の新恐竜」で、のび太が恐竜を名付ける場面から「のび太の夢をかなえたい」と考え、今年7月に論文で発表した。学名はラテン語の文法でつけられ、のび太に人名を示す「i(イ)」をつけてノビタイにした。

 邢さんと交流がある国立科学博物館の真鍋真・副館長は「恐竜がいた当時、中国と日本は陸続きだったので、日本にもノビタイの恐竜はいたかもしれない」と話している。

 科博の展示は12月12日まで。展示場所は地球館1階の一角で、常設展の入館料で見られる。税込み630円、高校生以下と65歳以上は無料。月曜休館。新型コロナ対策で入館にはネット予約(https://www.kahaku.go.jp/news/2020/reservation/index.html別ウインドウで開きます)が必要だ。

 ノビタイのレプリカは、ドラえもんの作者藤子・F・不二雄の作品を紹介する藤子・F・不二雄ミュージアム(川崎市)でも展示されている。(小堀龍之)

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