コロナ禍での開催となった東京五輪。選手たちは滞在先の選手村と競技会場以外への移動が制限される中、InstagramやTikTokといったSNSに写真や動画を続々と投稿している。そんな投稿の中から話題になっているものをまとめた。
短期連載「東京五輪とネット」
57年ぶりの東京開催となった「東京2020オリンピック・パラリンピック」。前回開催時と異なりネットが普及した今、ネットを通じてさまざまな声や交流が生まれている。競技者やサポーター、報道関係者、企業など、国や立場を超えて生まれる“ネットと五輪”ムーブメントを追う。
オーストリアの代表チームは7月22日、Instagramの公式アカウントに「Abbey Road, #Tokyo2020 rowers’ edition」(アビーロードの東京五輪版)とコメントを入れた写真を投稿した。チームメンバー10人が選手村の横断歩道に並び、ビートルズの有名なジャケットを再現したもの。30日時点で約1万4000件の「いいね」が付いている。アイルランドの競泳男子代表フィン・マクギーバー選手も同様の写真を投稿した。
投稿の中には、選手村内を走る自動運転バスに注目するものも。オーストラリアの飛び込み女子代表メリッサ・ウー選手は28日、同バスに乗る様子をTikTokに投稿。「事前に設定されたルートを時速32kmで走る」「横断歩道を渡る人を検知したら停止する」と紹介した。30日時点で約5万件のいいねが付いている。自動運転バスはトヨタが開発したEV車「e-Palette」だ。
選手にとっては食事も楽しみの一つなようだ。米国の7人制ラグビー女子代表のイロ―ナ・マー選手は26日、「選手村のギョーザは世界一おいしい」とコメントした動画をTikTokに投稿。日本食など食堂のメニューを紹介する動画の投稿も相次いでいる。
選手村の内部や景色を紹介する投稿も多い。米国の7人制ラグビー男子代表のコディ・メルフィー選手は26日、宿泊する室内の様子や食堂などを映した動画をTikTokに投稿。オーストリアの体操代表エリザ・へメルレ選手が「Views to remember」(覚えておくべき光景)として21日に投稿した夜景には、30日時点で約1万7000件のいいねが付いている。
コロナ禍がなければ、選手たちは競技会場でファンと交流し、街なかで日本を満喫していたはず。しかし直接触れ合ったり体験したりできなくても、インターネットを使って情報発信することで、ファンとの交流や日本での滞在を楽しんでいる様子が垣間見えた。