自由度の高さに衝撃を受けた3作品が現行プラットフォームで復刻
2021年11月30日 17時00分更新
11月12日に、『グランド・セフト・オート:トリロジー:決定版』が発売された。『グランド・セフト・オートIII』(以下、GTAIII)『グランド・セフト・オート:バイスシティ』(以下、GTAVC)『グランド・セフト・オート:サンアンドレアス』(以下、GTASA)が現代のプラットフォームにリマスターされ、セットになったお得な作品だ。
対応プラットフォームはPlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch、およびPC。シリーズ最新作『グランド・セフト・オートV』(GTAV)に連なる3D作品の原点『GTAIII』のPS2版は2001年発売(北米版)。本作は実に21年を経たリマスターということになる。
あの街が、あの車が、あの「自由」が帰ってきた。もちろんハードのパワーアップにともない、グラフィックやプレイアビリティーが向上している。悪ガキだった当時を懐かしみながらプレイするのにうってつけだ。なお、筆者はプレイにあたってPS4版を使用している。
グランド・セフト・オートとは
全世界でシリーズ累計3億5000万本以上の売り上げを記録している『グランド・セフト・オート』シリーズ。未プレイの方のために、どんなゲームなのか軽くおさらいしておこう。第一作『グランド・セフト・オート』(GTA)は1997年に登場した。タイトルは「自動車強盗」を意味し、その名の通り犯罪をコンテンツの中心としたクライムアクションゲームだ。
この1作目と2作目『GTA2』は見下ろし視点のゲームだったが、『GTAIII』からフルモデルチェンジし、3D視点のゲームとなった。このスタイルは最新作『GTAV』まで継承されている。プレイヤーは犯罪ミッションの過激さのみならず、3Dで表現された広大な都市での自由なゲームプレイに世界中が夢中になった。
街行く人に突然強盗したり、走行するタクシーの前に立ちはだかって座席から引きずり下ろして車両を奪ったり。かと思えば、そのタクシーで平然と客をとって地道にお金を稼いだりすることもできてしまう。善も、悪も、放蕩も、そしてその手段すらも自由。当時のゲームプレイヤーに衝撃を与えた。
以降ゲーム業界で「オープンワールド」と呼ばれるようになった大規模な街は、1つのシステムとして生きている。プレイヤーの行動に街全体がしっかりと反応してくるのだ。プレイヤーが犯罪を行なえば人々はパニックとなり、警察は指名手配して追跡してくる。エスカレートすれば、なんと軍隊が出動する場合も。怪我人が出れば救急車が出動して、交通は乱れる。
このように、リアルタイムに変化する街の状況に合わせてミッションの達成を目指すのがメインコンテンツだ。もちろんそれだけでなく、自分の(過激な)イタズラ、あるいはボランティアによる街の人々の反応を楽しむもよし。路地裏に潜む隠しアイテムをシラミ潰しに集めるもよし。いくつものチャンネルがあるカーラジオを楽しみながら街をドライブするもよし。とにかく自由なゲーム、それがGTAシリーズなのだ。
リマスターされた名作たち。プレイアビリティーとグラフィックの進化
トリロジーに収録されている3作品は、いずれも現代のハードに合わせて様々なアップグレードがなされている。その中から気になったポイントいくつか紹介したい。グラフィック面では、まずキャラクターはパッケージアートのデザインのイメージに近い描画となり、カットシーンの表現力が上がっている。
ライティングは現代のハードらしくよりリアルで動的に組み合わされているようにみえ、とくに描画距離の向上がオリジナルと顕著な差となっている。広さ自体はオリジナルと変わらないのだが、オリジナル時代では描画できずフォグで隠していた遠方までくっきりと描画されているため、体感的には街をかなり広く感じることができた。
高所から街を見下ろしたときや、速度の速い車での移動がより楽しくなった。ゲームプレイ面では、プレイ開始までの早さは特筆に値する。PS2では一苦労だった、ゲーム起動時のあの読み込み。当時は街1つ読み込んでいるのだから当然と割り切っていたものだったが、PS4ではあっという間だ。じ
っくり腰を据えてプレイしなければならなかった時代は終わり、ふとGTAの街をぶらつきたくなったときに手軽に起動できる時代になったのだ。
それでは、トリロジーに収録された3作品をチェックしていこう。
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