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 元TBS記者による性的被害を訴えているジャーナリストの伊藤詩織さん(32)が、被害は虚偽だとするイラストなどをツイッターに投稿され名誉を傷つけられたとして、漫画家のはすみとしこさんに550万円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁(小田正二裁判長)は30日、名誉
毀損きそん
の成立を認め、88万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 このイラストをリツイート(転載)した男性2人についても、それぞれ11万円の支払いを命じた。

 判決によると、はすみさんは2017~19年、中傷する文言を添えた女性のイラストなど計5本を投稿。男性2人は、コメントを付けずにリツイートした。

 はすみさん側は「架空の女性を描いた」と主張したが、判決は「容姿が類似しており、伊藤さんと認識できる」と指摘。男性2人のリツイートについても「賛同意見といえる」と述べ、名誉
毀損きそん
の責任を負うべきと判断した。

 判決後、都内で記者会見した伊藤さんは「ネットで拡散されれば投稿は残ってしまう。発信者全員がその責任と認識を持ってほしい」と話した。

 はすみさんの代理人弁護士は「表現行為に関して、主張が認められなかったのは残念。判決内容を精査して対応を考える」とした。