『Ghost of Tsushima Director’s Cut』の開発者にインタビューしてきました!
本作は、2020年発売『Ghost of Tsushima』をベースに、これまで配信されたDLCや壱岐島を舞台にした新たなストーリー「壹岐之譚」を追加したほか、コミュニティの要望に応じた様々な新機能を搭載したバージョン。2021年8月20日に、PS4版のほか、日本語のリップシンクやハプティックフィードバック・アダプティブトリガーに対応するなどの新要素があるPS5版が発売されます。
先日、読者の皆さんに本作の開発者にぶつける質問を募集したところ、多数の応募をいただきました!本当にありがとうございます!読者からの質問はどれも良いものばかりだったので、今回積極的に採用しました。ただ、インタビューのスケジュール等の都合で全ての質問を出来なかったのが残念なところです。
さて、読者の質問に答えるのは、本作のクリエイティブディレクターであるネイト・フォックス氏と環境アートリードのジョアンナ・ワン氏(※当初インタビューに参加予定だった「壹岐之譚」のシナリオライターは急用のため参加できませんでした)。ふたりは、本作を今すぐプレイしたくなるような非常に興味深いことをたくさん話してくれました!
――よろしくおねがいします!早速ですが、「壹岐之譚」のプレイボリュームはどのくらいでしょうか?
ジョアンナ・ワン氏(以下:ジョアンナ):「壹岐之譚」は、『Ghost of Tsushima』本編の一幕程度のボリュームになります。
――壱岐島は『Ghost of Tsushima』本編の対馬と比べてなにか変化はありますか?
ジョアンナ:『Ghost of Tsushima』本編に登場する対馬は、サイズや形などそのまま再現しているわけではないのですけれども、実際の形に沿って作っています。壱岐島も同様です。
――『Ghost of Tsushima』本編と「壹岐之譚」ではプレイ感覚は違いますか?
ネイト・フォックス氏(以下:ネイト):『Ghost of Tsushima』本編と同じ感覚でプレイできるようになっています。「壹岐之譚」では、新たなスキルを取得できますので、それをどのように攻略に活かすのかでプレイ感覚が変わってきます。
――なぜ「Director’s Cut」という題を付けたのですか?映画のディレクターズカットでは、本編に登場しなかったシーンが加えられますが、本作でも『Ghost of Tsushima』制作当初から検討されていた要素が追加されたということでしょうか?
ネイト:「Director’s Cut」というのは、これまでの全てのコンテンツにプラスαをしたという意味を持っています。『Ghost of Tsushima』本編制作時に「壹岐之譚」のストーリーのアイデアが生まれ、それにかかわる種は本編に植えてありました。それを時間をかけて形にしていったのです。そしてもうひとつ、PS5版では、3Dオーディオ対応、Dual Senseコントローラーのハプティックフィードバックをはじめとした新機能に対応しています。プラスαにはこの部分も含まれています。
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――キャラクターの育成部分に新たな要素はありますか?
ネイト:本作では新たにスキルが追加されますが、これはゲームを簡単にするものではありません。むしろ自分のプレイスタイルを作り上げ、作り上げたものを極めていくための要素です。例えば、発売告知トレーラーの中でも紹介された、馬に乗った状態でチャージして敵を攻撃するスキルがあります。これを活用することで、これまで以上に愛馬に愛着を感じられますし、馬がただの移動手段ではなくよりエキサイティングなものに変わります。
――『Ghost of Tsushima』は、ストーリーの進み具合によって人物の会話が細かく変化するところにとても驚きがありました。「壱岐之譚」では、ゲームの進行が対馬の本編に何かしら影響や変化などは発生しますか?完全に別枠でのストーリーとなるのでしょうか。
ネイト:「壱岐之譚」は、『Ghost of Tsushima』本編の第二幕をプレイしていれば移行できますし、本編クリア後でも移行できます。「壱岐之譚」は独立したストーリーですが、本編でどこで誰と出会ったのかもゲームは記録しており、それは「壱岐之譚」の中でのストーリーの進行にも影響があります。
――『Ghost of Tsushima Director’s Cut』でナデナデできるようになった猫は、もしかしてツシマヤマネコですか?
ジョアンナ:色々とリサーチはしたのですが、あの猫は……猫です(笑)本作でサルや鹿などの撫でられる動物を増やしたのは、壱岐の自然との繋がりを感じてもらうためです。
――「壱岐之譚」の制作は、コロナ禍でどのように行われましたか?また、「壱岐之譚」のアイデアの言い出しっぺは誰だったのでしょうか?
ネイト:「壱岐之譚」を本格的に制作したのは1年前の2020年からです。スタッフの全員が自粛していますから在宅勤務で制作を行いました。また、我々のアイデアとは、ビールを飲みながら生まれてくるものなので、「言い出しっぺ」というのはなく、みんなのアイデアですね(笑)
――モーションキャプチャーはどのように行っていましたか?また、役者さんはキャラクターとの向き合い方に何か変化はありましたか?
ネイト:このコロナ禍でスタッフの安全を守りながらどのように本作を制作していくのかは大きなチャレンジでした。モーションキャプチャーは、役者さんの自宅にキットを送り、顔の表情などをキャプチャーしてもらいました。新たな技術を導入したおかげもあり、結果として満足のいく出来になっています。
『Ghost of Tsushima』本編にも登場するキャラクターを演じる役者さんは、自分のキャラクターを作り込んでおり、素晴らしいと思いましたね!
――これは読者から多かった質問です。今後『Ghost of Tsushima』はシリーズ化する予定はありますか?また「壱岐之譚」の次に制作予定のコンテンツはありますか?
ネイト:今は、チーム全員が『Ghost of Tsushima Director’s Cut』に全てをつぎ込んでいるところなので、将来のプランは、発売後にスタッフと話し合い、考えていこうと思います。それがどのような形になるのかは今は全くわかりません。
――最後にファンに向けてメッセージをお願いします!
ネイト:まずは『Ghost of Tsushima』をプレイしてくださった皆様には本当に感謝しています。我々の情熱を注ぎ込んだゲームが、時代劇を観ながら育ってきた方々にプレイしていただいたのは非常に嬉しく思っています。我々が大好きだったジャンルに作品を提供できたことは誇りです。ファンの情熱は我々の原動となっています!
ジョアンナ:『Ghost of Tsushima』は、我々が制作したゲームではあるのですが、プレイヤーひとりひとりのゲームでもあります。そのひとりひとりが作品を通じて感じたものが、我々に感動を与えてくれました。夢が叶ったような気持ちです!
――今回はありがとうございました!
※UPDATE(2021/7/30 2:14):文中の誤字を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。
『Ghost of Tsushima Director’s Cut』読者の質問に開発者が回答! 続編・シリーズ化や「壹岐之譚」のプレイボリュームは?【UPDATE】