おはようございます。SUKESANです。
いつもこちらではバカ記事や海外のゲームなどについてのコラムをメインに書かせて頂いておりますが、この度新たな企画をさせて頂くことになりました。
僕は以前から、古い物を集めその物に込められた歴史、時代背景などを追っていく『アメリカン・ピッカーズ』というアメリカの番組コンテンツ(ヒストリーチャンネル)に非常に強い興味を持っていまして、「日本でもこのような事をやりたい!」とずっと思っていたのです。ただ、1人ではやるのが中々難しく出来ずにいたのですが、今回、奇跡的な出会いがありまして、アメリカン・ピッカーズならず『ジャパニーズ・ピッカーズ』を結成しました。具体的にどのような事をやっているか(やって行くか)をこちらで紹介させて頂きます。
まずは古い店舗から歴史ある商品をピックアップしてくるということをメインとしております。しかしこれはマニアの方なら同じ気持ちだと思うのですが、インターネットがこれだけ普及した今、中々そのようなお店は見つかりません。
なので僕らはインターネットの情報にほぼ頼らず、現地の方達に直接聞き込みをしてそのようなお店、もしくはすでに数十年前に廃業してしまったお店を探しあて、ピックアップしております。今回、いくつかその様子をご紹介させていただくと共に、オリジナルの作品をご紹介させていただきます。
まずは、今からもう40年前に廃業してしまった駄菓子屋&玩具店さんでのピックの様子です(※撮影許可をいただいております)。
長期間放置されただけあって、店内は埃だらけ。床はボロボロ、しかもネズミだらけという劣悪な環境の中、メンバーは文字通り這いつくばって、レトロ玩具などを探し出していきます。
かなりきつい作業ではありますが、だからこそ40年という止まった時間に出会えるような気がしておりまして、メンバー全員が一番好きな時間でもあります。
今後もこのような場所を見つけ、歴史的な品物を発掘していきます!また、僕らはこのように発掘をしてくるだけでなく、現存するモノに一味加えたアート作品も作らせていただいております。
その一つが、「透明ファミコンカセット」の作成です。スケルトンという響きに何故か強い憧れを抱いていた少年時代を過ごしましたので、「その夢を叶えよう!」と企画しました。実際、スケルトンのカセットといえば、ファミコンの「沙羅曼蛇」が有名ですが、今回は「忍者じゃじゃ丸くん」をスケルトン化してみることに。
その工程ですが、まずはバックアップバッテリーの電池交換と同じ要素で、カセットを開けます。そして基板を取り出します。
次に、「エポシキ樹脂」と呼ばれている粘液をカセットの形状で型に流し込んでいくのです。ここで、「そんなことしたら壊れる!」とお思いになるかと思いますが、エポキシ樹脂は元々、電子部品・回路などを保存するのにも使用されているものであり、全く問題はないのでございます。
数日でカチカチに固まるのですが、実はここからが大変……。端子の部分を傷つけないように、ゆっくりと全体のバリを取りながらポリッシャーで磨いていくのです。この磨く工程に5時間程度かかります。
そして緊張の起動チェック!問題なく、じゃじゃ丸くんが起動しました。この透明でずっしりと重い、世界に一つだけのファミコンカセットで遊ぶワクワク感。最高です。
次は先ほど紹介させて頂いた、40年前以上に廃業した玩具店でピックアップしたモノから。1960年代頃から販売されていた瓶ジュースの蓋、通称「王冠」を使ってアートなモノを作りました。
エポキシ樹脂を使い王冠を中に閉じ込めました。エポキシ樹脂はあるものと混ぜると化学反応を起こしカチカチになります。
その後、時間をかけて表面をポリッシャーで削っていき、仕上げに研磨剤を塗って表面を磨いていきます。
まさに芸術的アート作品です。「1970年代の時間」をそのまま閉じ込めて、次世代の人たちへ継承していきたいという思いから出来た作品です。
正直、自分たちでも「バカなことをやってるな……」とも思っておりますが、これが本当に楽しい。昔の文化を発掘しながらも、ちょっと新しい作品を生み出していく感覚なんです。また、僕たちジャパニーズピッカーズは最近、公式サイト&YouTubeも開設いたしましたのでよろしければご覧くださいませ。ピックの様子や、アート作品を作っている過程をご覧いただけます。
■著者紹介:SUKESAN
元ファミ通の編集者、現在はCM、番組ディレクター・プロデューサーとして活動中。新垣結衣をはじめ、アイドルやタレントのピアノ・歌の講師でもある。