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Fairmat(フェアマット)は、ハイテクな複合素材のリサイクルプロセスを改善しようとしているフランスの新しいスタートアップ企業だ。同社は、廃棄物から新しい種類の材料を生産し、生産企業に販売したいと考えている。

Fairmatは先日、860万ユーロ(約11億2000万円)の資金調達を行ったばかりだ。Singular(シンギュラー)が主導したこの投資ラウンドには、さまざまなビジネス・エンジェルも参加している。

「私たちは、このような製品寿命を終えた素材を処理するための拡張性があるソリューションに取り組んでいます」と、Fairmatの創業者であるBenjamin Saada(ベンジャミン・サーダ)氏は筆者に語った。同氏は以前、Expliseat(エクスプリシート)を共同設立した人物だ。

この企業は、ハイテク素材がなくなることはないと考えている。例えば、風力発電機や航空機には、驚異的な特性を持つ炭素繊維複合材が非常に有効だ。しかし、すべてにハイテク素材を使う必要はない。

だから我々は、新しい物を作る際に、プラスティックや木材、さまざまな金属合金など、より安価な素材に大きく頼ることになる。しかし、Fairmatは、風力発電機や航空機に使われる炭素繊維複合材の代わりになるものを提供したいと考えているわけではない。

同社は、日常生活の中で使われるプラスティックや木材、さまざまな金属合金などの素材を、置き換えたいと考えている。すでに使用された炭素繊維複合材を、軽量かつ堅牢な新しい素材に変えようとしているのだ。

「今日、炭素繊維複合材の廃棄物は、基本的に焼却されるか埋め立てられます」とサーダ氏はいう。Fairmatのやり方なら、複合素材を機械的なプロセスによってリサイクルすることが可能だ。しかも、それほど手間がかかるわけではないという。例えば、炭素繊維複合材の廃棄物を加熱する必要もない。また、このスタートアップ企業は、素材の物理的特性をテストするために、機械学習を利用している。

Fairmatは、同社でリサイクルした素材を製造業の顧客に販売し、それを再利用して企業が新しい製品づくりができるようにすることを計画している。一例を上げると、Fairmatの素材を使ってカーゴバイク(運搬用自転車)の荷台を作ることなどが考えられる。木材や金属よりも軽量であり、バージン素材を使用するのと比べるとカーボンフットプリントにも優れている。

次の段階として、Fairmatは従業員を15人から30人に増やすことを計画している。同社は現在、炭素繊維複合材の廃棄物を扱うサプライヤーや、潜在的な顧客との提携を進めており、2022年の第2四半期には、同社の素材を大規模に販売できるようになる見込みだという。

Fairmatはその後も、さまざまな特性を持つ他の種類の素材を、次々と開発していくつもりだ。順調にいけば、数年後には、同社の素材が使われているイスやノートパソコン、自動車などを、知らずに購入しているかもしれない。

画像クレジット:Rabih Shasha / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)