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■「中学生のイメージで止まってる人には進んでるんだぞって言いたいし、名前しか知らないという人にはライブの僕らを知ってほしい。世に知ってもらいたい!」(さくらしめじ・田中雅功)

さくらしめじが、12月29日(水)に東京・大手町三井ホールにて、年末恒例となってる忘年会ライブ『きのこりあんの集い Vol.6』を開催した。

開演時間となり、場内SEとして流されていたふたりで制作したオリジナルのイヤーエンドソング「年越しそば」のロックバージョンのボリュームが一際大きくなると、実家で過ごす年末を思わせるパジャマ風の衣装を着たさくらしめじが登場。

大きな拍手に迎えられたふたりはフロア中央に設置されたステージに上がり、東西南北ならぬ花鳥風月で分けられた360度の客席を見渡し、「今日はみんな元気だね。最後まで一緒に楽しんでいきましょう」と挨拶。

爽やかで甘酸っぱい妄想ラブソング「えそらごと」で第1部を始め、7月に配信リリースしたダンサブルなギターロック「わがままでいたい」で情熱的にアコギをかき鳴らすと会場の熱気は一気に上昇した。

2曲を歌い終えたところでギターを置き、ステージ上のコタツに入って和やかなトークを繰り広げたあとは、公式LINEで事前に募集したリクエスト曲が書かれた紙が入ったボックスからランダムで引いた楽曲を披露する“リクエストコーナー”に突入。

1部ではまず、きのこりあんへの感謝と覚悟を込めたR&Bバラード「お返しの約束」とライブでお馴染みの「てぃーけーじー」を披露。「てぃーけーじー」はスタッフからリクエストで、まさかの2倍速バージョンでのパフォーマンスとなり、間奏ではまさかのフリースタイルのラップバトルも勃発。

彪我が息を切らしながら、「……いや、ダメだって。これはいけないよ」と不満をあらわにすると、雅功は「じゃあ、普通にやろう。みんなも聞きたいよね」と提案。ふたりの弾き語りによる二度目の「てぃーけーじー」が実現すると、観客はクラップを鳴らし、お馴染みのフリを一緒に踊り、会場は一体となって大きな盛り上りを見せた。

再びコタツに戻ると、ゲームコーナーとして、“イントロクイズ対決”を実施。1部では4対1で彪我が圧勝すると、負けた雅功はコタツでふて寝して見せた。そして、全5問の解答のなかから、レミオロメン「粉雪」に加え、「6年前に初めてふたりで人前でカバーした曲」だというスピッツ「チェリー」の即興カバーにチャレンジ。スタッフが用意した譜面を見ながら、さくらしめじらしい歌声とハーモニーを響かせて観客を喜ばせた。

さらに、昨年に引き続き、「ヒットソングメドレー」も敢行。

TikTokの総再生回数が1億回を超えたmeiyo「なにをやってもうまくいかない」から、恋愛リアリティーショウ『恋とオオカミには騙されない』の主題歌としてあいみょんが書き下ろした「桜が降る夜は」、藤井風のCMソング「きらり」と続け、TikTokで大ブームを巻き起こしたザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー「ステイ」のギターインストを挟み、アニメ「BEASTERS」の第二期OP主題歌であるYOASOBI「怪物」へ。

そして最後はギターを置いて、“TikTok流行語大賞2021”にノミネートされた「シル・ヴ・プレジデント」で観客と一緒に指ダンスを踊り、SNSでヒットしたZ世代に人気の楽曲で楽しませた。

再びリクエストに応えて、「ゆめがさめたら」「せきがえのかみさま」と学生時代を思い起こす楽曲が続いたこともあり、ピュアな初恋ソング「ひだりむね」を含めて、1部は偶然にも淡い恋心を綴ったラブソング集とも言えるセットリストが完成した。

ここで、毎年恒例となっている“書き収め”のコーナーへ。1部のお題は“今年を総括したひと言”で、NHK連続テレビ小説に主演し、同世代の俳優に刺激を受けたという彪我は“「大人とは何か」を感じた1年”と記し、小説の連載やライブのシナリオを手がけた雅功は“ストーリーで溢れた二〇二一”と発表。

ラストナンバーを前に、雅功は「まだ声は出せないので、もどかしい日々が続いていますけど、音楽は心で繋がり合えると思ってます。次の曲はみんなで、心で歌いましょう」と呼びかけ、これまでに数々のワンマンライブでエンディグを飾ってきた「みちくさこうしんきょく」を明るく朗らかに歌い上げると、オーディエンスは声の代わりに手をあげて大きく揺らしながら心の中で合唱。

会場は温かく幸せなムードに包まれるなかで、雅功は「来年はどうなるかわかりませんが、きっとみんなで歌える日がくると信じて、今年を締め括り、またあらたな一歩を歩み出したいと思います」と決意を表明して、笑顔で手を振りながらステージをあとにした。

第2部ではオープニングナンバー「えそらごと」に続き、シンガーソングライターのひらめと共作した女性目線の片想いソング「ストーリーズ」を披露。ふたりともファルセットを駆使し、ひらめのコーラスパートも再現するなかで、彪我がふいに雅功に近づいていき、仲良く1本のマイクで歌う微笑ましいシーンもあった。

最初のMCでは、1部ではスタッフのいたずらから生まれた忘年会ライブ恒例の“急須の中身はなんだろな?”が行われたが、2部では雅功が「お正月が近いので、ちょっと早いけどお年玉を用意しました」と語り、客席の椅子の座面の裏側にこっそりと仕込んでいたサイン入りのグッズキーホルダーを2名にプレゼント。

“リクエストコーナー”では、まず、彪我が「リクエスト企画をすると必ず上位に入る、さくらしめじの歴史に残る曲」だという失恋ソング「きみでした」やふたりで初めて作った思い出深い楽曲である「おもいでくれよん」を切々と歌い上げた。

そして、2部の“ゲームコーナー”は、「最近やたらと顔が丸くなったと言われる」という彪我と、絶賛ダイエット中の雅功が、歩数計を手首と足首につけて「Bun! Bun! BuuuN!」を熱唱。

一足先に二十歳の誕生日を迎えている彪我が顔が丸くなったと言われることに対して、「お酒を飲み始めたからかな?」とこぼすと、雅功は「今、ナチュラルにお酒を飲んでる話をしたことがショックだったな。当然のことのようにいうのが!」と憤慨。「ぜってー負けねえ!」と意気込んだが、小刻みに手足を動かしながらこたつの周りを全力で走り回った結果は、18歩という僅差で彪我の勝利で終了。コタツに突っ伏して束の間の休息をとり、深呼吸をしたあとで、忘年会はいよいよ終盤へと向かっていた。

後半の“リクエストコーナー”では、夏の花火大会を舞台にした「ふうせんはなび」の歌詞を即興で変更。“夏休み”を“冬休み”、“8月”を“12月”に変えただけでなく、“浴衣”を“ダッフルコート”に変えて歌うと、きのこりあんからは驚きと祝福の拍手が沸き起こった。

「最初の頃は指がつってしまって最後まで弾けなくて、ハンドクラッシャーと呼んでいた」という「かぜだより」も美しいコードを鳴らし、見事に弾き切り、アーティストとしての確かな変化と成長を見せつけた。

そして、“あのころの僕ら/誰にも負けない”と懐かしむ「だるまさんがころんだ」と、“僕らは最高さ”と声を重ねる「合言葉」という、時代が変わっても変わることのない大切な絆や友情を感じせる楽曲を続けたあとの“書き初め”では、“来年の目標”を発表。

彪我は、野太い声を出して、“「俺らとは何か」を感じさせる1年”と発表。「僕らではなく、俺ら/自分を押さえつけず、もっともっと我を出していきたい」と宣言。雅功は“ちゃんと知ってもらう”と掲げ、「中学生のイメージで止まってる人には進んでるんだぞって言いたいし、名前しか知らないという人にはライブの僕らを知ってほしい。世に知ってもらいたい!」と声を上げた。

最後に、四方に動き回れるようにマイクを外し、生声のギターの弾き語りで「みちくさこうしんきょく」を高らかと歌い上げると、雅功は「いつか、もっともっとみんなの近くで、もっとみんなと声を出して笑えるライブをしていきたいです。その日に向かって、これからも歌を届けていきます」と決意を表明。

ふたりで「良いお年を!」と声を上げて、2021年の歌い収めである忘年会を締め括った。

なお、この日のMCでは、『さくらしめじ田中雅功生誕ライブ 20歳になったので、たくさんお祝いしてください。』の開催を発表。2022年4月には『春しめじのお花し 二冊目』を開催することもアナウンスされた。

また、髙田彪我は12月31日放送の『第72回NHK紅白歌合戦』内で行われる、連続テレビ小説「おかえりモネ」スペシャル企画に出演することも決定している。

【セットリスト】
■1部
M1.えそらごと
M2.わがままでいたい
M3.お返しの約束
M4.てぃーけーじー
M5.ヒットソングメドレー
M6.ゆめがさめたら
M7.せきがえのかみさま
M8.ひだりむね
M9みちくさこうしんきょく

■2部
M1.えそらごと
M2.ストーリーズ
M3.きみでした
M4.おもいでくれよん
M5.ヒットソングメドレー
M6.ふうせんはなび
M7.かぜだより
M8.だるまさんがころんだ
M9.合言葉
M10.みちくさこうしんきょく


ライブ情報

さくらしめじ田中雅功生誕ライブ 20歳になったので、たくさんお祝いしてください。
2022年
01/24(月)東京・渋谷REX

さくらしめじワンマンライブ「春しめじのお花し 二冊目」
04/02(土)東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
04/03(日)東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASURE


さくらしめじ OFFICIAL SITE
http://sakurashimeji.com