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共同作業プラットフォームのNotionは2019年に多くのアクセラレーターやインキュベーターの協力を得て、その投資先のスタートアップがNotionプラットフォームを無料で使えるクレジットを提供した。今度はもっと積極的に、同様のプログラムをすべてのスタートアップを対象に展開する。

Notionは米国時間9月28日にスタートアップ向けの新たなプログラムを開始し、全世界のスタートアップに500ドル(約5万5000円)以上のクレジットを提供して同社製品を無料で試用できるようにした。スタートアップの規模や資金調達の状況は問わない。チームの規模に応じて、スタートアップはこのクレジットでNotionの有料機能を無料で最長1年間利用できる。

Notionの最高執行責任者であるAkshay Kothari(アクシェイ・コサリ)氏はTechCrunchの取材に応じ、同社がこのプログラムを最初に始めたときは「Notionが世界中のスタートアップに受け入れられること」を試していたと述べた。

この2年間で同社の状況は劇的に変化した。直近の資金調達ラウンドで20億ドル(約2200億円)のバリュエーションとなり、多くのスタートアップ(ごくわずかだが例を挙げればFigma、Substack、Modern Health、Mixpanel、Buffer、Headspaceなど)や開発者、クリエイター、デザイナーなどに選ばれる生産性スイートとして頭角を表している。

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世界中の企業がリモートワークを取り入れたことから、Notionを利用するスタートアップの数はこの1年間で4倍に急増したと同社は説明する。Yコンビネーターに直近で参加したスタートアップの半数以上がNotionのワークスペースを利用し、Forbesが発表したクラウド企業トップ100のうち90社がNotionのチーム向けワークスペースを持ち、Crunchbaseに掲載され100万ドル(約1億1000万円)以上を調達した全世界のスタートアップのおよそ28%がNotionのプラットフォームを使っている。

Notionがそれほど重視していなかった市場であるインドの起業家の間でもNotionはかなり一般的になり、作成したピッチの資料をNotionに保存して潜在的な投資家に公開している。多くのスタートアップがNotionに発表を掲載し、Notionのページでノートを書いてチームで共有している。

コサリ氏は新たな展開の1つとして、Notionはこのようなユースケースでのフリクションを取り除く新しいテンプレートも開発していると述べた。さらにスタートアップ向けのスターターパックも公開した。これはガイド、チュートリアル、ライブストリームのイベント、カスタマーストーリー、FAQを集めたものだ。

同氏は「我々のゴールは、Notionを世界中のスタートアップが意識せずに使えるツールにすることです」と語る。

その規模に到達することを目指して、Notionはスタートアップの多くが高く評価するインフラ大手2社とも連携する。AWSとStripeだ。コタリ氏によれば、両社は今後、自社プログラムを利用する数十万のスタートアップに対してNotionの有料プランで利用できる一定のクレジットを提供する。

AWSとStripeがスタートアップにとって重要な存在になったのと同様に「NotionはAWSやStripeと協力することで情報のインフラになれると考えています」とコタリ氏はいう。さらに同氏は「この連携をスタートしたので、今後も引き続きさらなるパートナーシップを構築する機会を検討していきます」と述べた。

Stripeのスタートアップビジネス責任者であるKrithika Muthukumar(クリティカ・ムスクマール)氏は発表の中で「NotionはStripe Atlasコミュニティに恩恵をもたらし、あらゆる規模の企業が重要なマイルストーンを通じてまとまり、意識を合わせ、従業員同士の距離を縮めるのに役立っています。我々はNotionをAtlasのプログラムに迎え、コミュニティをともに支える新たな方法を探っていくことをうれしく思います」と述べた。AWSは発表の中で、同社の顧客はNotionを「絶賛」し、Notionと戦略的に協業する方法をさらに調査すると述べている。

画像クレジット:Notion

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(文:Manish Singh、翻訳:Kaori Koyama)