広島市の松井市長は、被爆から76年となる来月6日の「広島原爆の日」に読み上げる「平和宣言」の概要を公表しました。日本政府に対しことし1月に発効した核兵器禁止条約に参加することやいわゆる「黒い雨」を浴びた人たちの早急な救済を求めるとしています。
これは30日開いた会見で明らかにしました。
来月6日の平和記念式典で読み上げる平和宣言では、日本政府に対し被爆者の思いを誠実に受け止めてことし1月に発効した核兵器禁止条約に参加し、核保有国と非保有国の橋渡しをしっかりと果たすよう求めるとしています。
さらに、広島に原爆が投下された直後に降ったいわゆる「黒い雨」を浴びて健康被害を受けたと住民などが訴えた裁判の判決が確定したことを踏まえ、政府に対し訴訟に参加していない人たちを早急に救済するよう求めるとしています。
そして、「核兵器はいらない」という声が市民社会の総意となるように被爆地広島から発信し、各国の政策転換を促す環境づくりを進めていくことを宣言するとしています。
松井市長は「新型コロナウイルスの影響で国際社会における核軍縮の議論が停滞しているので、歩みを進められるような発信力のある宣言にしたい」と述べました。