自民党総裁選から一夜明けた30日、岸田文雄・新総裁は人事に向けた調整を本格化している。選挙戦で岸田氏を支援した麻生派幹部の甘利明税調会長(72)を幹事長で起用する方向で最終調整している。
岸田氏は午前10時半、自民党本部前で記者団に「めまぐるしく活動を始めている」と語った。党役員や閣僚などの人事については「今よく考えている」と述べるにとどめた。
甘利氏のほか、細田派の萩生田光一文部科学相(58)、総裁選で争った無派閥の高市早苗前総務相(60)も党や内閣の要職での起用がとりざたされている。高市氏に加えて、河野太郎行革相や野田聖子幹事長代行についても、岸田氏は「党内で能力を発揮してもらえるようなことを考えていきたい」と述べており、人事で処遇される見通しだ。
今回の総裁選では麻生太郎副総理兼財務相は、自派の河野氏への全面支援を見送り、岸田氏も支援。安倍晋三前首相も高市氏を支援したものの、決選投票では岸田氏を支持したとされており、安倍氏が影響力を持つ最大派閥の細田派と麻生派の処遇が注目されている。