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北海道猿払村の猿払川水系で見つかったイトウの死骸(黒田充樹さん提供)

 北海道北部の宗谷地方の河川で今夏、「幻の魚」とも呼ばれる絶滅危惧種の大型魚イトウの死骸が多数見つかっている。専門家によると、記録的な暑さによる水温上昇と雨不足に伴う渇水で、酸欠死した可能性が高い。地元保護団体も川の水位が平年並みに戻るまで釣りの自粛を呼び掛け、警戒を強める。

 保護活動などに取り組む「猿払イトウの会」の川原満さん(51)は8月上旬から、猿払村の猿払川水系で計約40匹の死骸を発見した。川には腐敗臭が漂い、周囲には動物に食べられた後の骨などが散乱。生きた個体も見つけたが「ぷかぷかと浮いているだけで、弱って岸にぶつかる魚もいた」と振り返った。