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6月下旬、約20年にわたり、富士フイルムホールディングス(HD)の経営を担った古森重隆氏が、会長兼最高経営責任者(CEO)の座を退きました。本業の写真フィルム事業消失の危機に直面しながらも、高機能材料、グラフィック・印刷、ヘルスケアなどの成長分野を開拓し、多様な事業からなるコングロマリット(複合企業)への変革を果たした富士フイルムHD。コロナ禍にもかかわらず、2021年3月期の当期純利益が1812億円と過去最高を記録したことが、その強さを物語っています。同社から学べる新規事業推進のヒントを「アンゾフのマトリクス」の観点から解説します。