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「米の“核先制不使用”日本や欧州が反対して働きかけ」英紙報道

 アメリカが「核兵器を先に使用しない」との新たな方針を打ち出すのではないかと危惧した日本やイギリスを含む同盟国が、アメリカに対して従来の方針を転換しないよう働きかけていると、イギリスのメディアが報じました。

 アメリカは必要があれば核兵器を先に使うことを否定しない立場をとってきましたが、イギリスのフィナンシャルタイムズ紙によれば、イギリス、フランスや日本、オーストラリアなどアメリカの同盟国は、バイデン政権が現在進めている「核態勢の見直し」でこれを転換し、「先に使用しない」との方針を打ち出すのではとの懸念を持っていて、方針を転換しないよう働きかけているということです。

 またバイデン政権が「先に使わない」とまで言わなくても、核兵器を使うにあたって「アメリカへの攻撃を防ぐため」「攻撃に反撃するため」などの厳しい条件を付けるようになるのではと見る国もあるとしています。

 フィナンシャルタイムズは、同盟国の中にはもしアメリカが方針を転換すれば、中国やロシアを利するだけでなく、いわゆる「核の傘」に守られてきた日本や韓国が独自に核兵器の開発を始め、地域内での軍拡競争につながりかねないと危惧する声もあると報じています。