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Odontomachus hastatus
南米に生息するキノボリアギトアリ Odontomachus hastatus。
アギトアリは世界の熱帯に様々な種が生息していますが、体型や生態にはそれほど違いはないのですが、この種は世界のアギトアリを見てきた人間には、アギトアリとは思えない異様な姿や習性をしていることが分かります。
まず最初に驚きなのがその大きさです。
通常アギトアリの仲間は大きくても体長10mmほどですが、このキノボリアギトアリはアゴの先端まで含めると約20mmもあるのです!
そして次に驚きなのが体型です。
アギトアリとは思えない細身な体型で、脚がものすごく長い。

アギトアリ 比較
一般的なアギトアリと比較すると、こんなにも姿が違うのです。
このような姿には習性が関係しているようです。
通常、多くのアギトアリは地上性で地面で暮らしているのですが、こちらのアギトアリは樹上性で木の上で暮らすのです。
樹上性のアギトアリがいるなんて、初めて知ったときは本当に驚きでした。
何種類かいるようで、以前ライトトラップをしたときに同じような姿で、もう少し小型な種の女王が飛んできました。

着生植物
巣も木の上にあるのですが、木の幹に巣を作るのではなく、木の幹に張り付いている着生植物の根の部分に巣を作るのです。
飼育をするときも、ヤドクガエルを飼育するようなレイアウト水槽で、試験管などを巣として利用させるのもオススメです。

Odontomachus hastatus
アゴを180度に開いたり、高速でアゴを閉じたりするのは他のアギトアリと同じです。

Odontomachus hastatus
アゴの内側には、長い感覚毛が生えていて、これに獲物が触れた瞬間に時速230kmもの高速でアゴを閉じるのです。

Odontomachus hastatus
口ひげを収納しているところ。

Odontomachus hastatus
口ひげを出したところ。

Odontomachus hastatus
キノボリアギトアリの幼虫。

Odontomachus hastatus
背中には二本の太い突起があり、先端は吸着力のある吸盤になっているので、ツルツルした場所でも張り付くことができます。